書籍紹介

書籍名 社会保障の基本原理と将来像
著者 芝田英昭編著
判型 A5判
頁数 210頁
発行年月 2004年3月
定価 2,530円(税込)
ISBN ISBN4-589-02724-0
本の説明 「誰の、何のための社会保障か」―社会保障の原理を歴史から問い直し、国民的立場から年金・医療保障、社会保障の将来像とその財源のあり方の基本原則を示す。今日の動向と政策課題を盛りこみ、運動の指針となる書。

この書籍は品切につき入手できません
目次 はしがき
第1章 社会保障の理念の変遷とその意義
 はじめに
 1 レーニンの「労働者保険綱領」(1912年)にみる社会保障概念
 2 アメリカ「社会保障法」(1935年)の意義と特質
 3 福祉国家の基礎を築いたニュージーランド社会保障法(1938年)
 4 社会保障の世界的広がりとILOの役割
 5 ベヴァリッジ報告『社会保険および関連サービス』(1942年)と社会保険
 6 憲法第25条および社会保障制度審議会勧告が果たした役割
 7 社会保障に関する公的諮問機関と私的諮問機関(2000年)の果たした役割
   有識者会議は何を語ったのか
   「総合社会保険構想」への危険な前ぶれ
 8 新自由主義の台頭と社会保障改革のゆくえ

第2章 社会保障のあゆみとダイナミックス
 はじめに
 1 イギリスにおける社会保障の歴史
   社会保障前史
   社会保障へのあゆみ
 2 ドイツにおける社会保障の歴史的特質ー「飴と鞭」の政策の本質
 3 第二次世界大戦後の社会保障の発展
   労働組合運動と社会保障
   社会保障の発展と運動

第3章 祉会保障の基本原理と限界
 1 社会保障の対象
 2 社会保障の財源
 3 社会保障の資本主義的限界の克服は可能か
 4 社会保障理論の新潮流一「社会的排除」をどうみるか
   ヨーロッパにおける「社会的排除」概念の登場
   イギリス「第三の道」と社会的排除概念
   「社会的排除」と福祉国家
   「社会的排除」と貧困

第4章 公的年金制度の歴史と将来像
 はじめに
 1 厚生年金保険法の成立と財政方式
   労働者年金保険法から厚生年金保険法へ
   厚生年金保険法の1954年全面改正
   厚生年金財政方式の争点
 2 「国民皆年金」体制の確立(国民年金制度の成立過程)
   厚生省内に国民年金委員(5委員)を設置
   経済審議会による経済計画の策定と国民年金制度
   社会保障制度審議会の答申
   大蔵省の社会保障制度審議会答申に対する批判
   自由民主党国民年金実施対策特別委員会と政府部内での調整
   第31国会審議
   資金運用部資金法の改正と財政投融資について
   国民年金および基礎年金の財政方式
   「国民皆年金」体制の評価
 3 国民の立場からの年金改革(提言)
   公的年金積立金の運用実態の分析からの年金制度改革指針
   新しい公的年金の構想(提言)

第5章 年金制度改革の視点と女性の年金
 はじめに
 1 基礎年金制度の導入
   第二臨調答申
   「国民皆年金」体制成立以降
   基礎年金制度導入による制度体系の再編成
   公的年金制度の一元化とそのねらい
 2 2004年の年金制度「改革」
   制度体系は社会保険方式を維持
   給付と負担の見直しの前提条件
   給付と負担の見直しの方法
 3 女性と年金
   厚生年金における女性の位置づけ
   「国民皆年金」下における女性の位置づけ
   第3号被保険者制度の創設
   2004年の年金制度改革における女性の年金問題

第6重 保健・医療の社会的責任と課題
 はじめに
 1 労働・生活の変化と健康状態
   健康の定義をめぐる論議
   労働・生活の変化と国民の健康状態
 2 日本の医療制度の歴史(1)一明治から戦前まで
   開業医が担った日本の医療
   お恵みの医療の始まり
   医療の社会化(1)一資本主義の発達と工場法、健康保険の成立
   医療の社会化(2)ー治安対策と労働力確保の健康保険法制定
   医療の社会化(3)ー兵力確保の国民健康保険法制定
   医療の社会化(4)一命と暮らしを守る民衆の運動
 3 日本の医療制度の歴史(2)一社会保障構造改革と医療制度の危機
   理念の確立から「福祉元年」へ
   政策のゆらぎと社会保障構造改革へ
   医療制度改革
   崩壊する医療供給体制
   医療制度改革は本当に必要なのか?
 4 21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)と健康増進法
   日本の健康づくり政策の流れ一アルマアタ宣言から第三次国民健康づくり10か年計画まで
   「健康日本21」、健康増進法がめざす国民の健康像
 5 保健・医療の社会的責任と地域共同体の力で健康を維持する
   労働のあり方の転換と健康
   地域共同体の再生、構築と健康
   いつでも、どこでも、誰でも安心して健康づくりを進めるために

第7章 社会福祉をめぐる状況と論点
 はじめに
 1 戦後社会福祉政策の動向
   社会福祉の基礎構造形式と福祉三法
   高度経済成長と福祉六法
   福祉元年から福祉見直し、福祉改革へ
   現段階ー社会福祉基礎構造改革とは何か
 2 制度体系と「福祉改革」(障害者、高齢者、子ども)
   障害者
   高齢者
   子ども
 3 目下の社会福祉をめぐる論点
   保護と自己決定
   措置と契約をめぐる論点
 4 社会福祉サービス体系を組み替えるー社会福祉サービスの将来像ー
  
第8章社会保障の一元化と将来像
 はじめに
 1 新自由主義の台頭と社会保障改革のねらい
 2 社会保険の変質をねらう「国民保険」構想の中身
   減免措置がない
   事業主負担の廃止
   社会保険に自己負担はありえない
   ペナルティーの存在は社会保障を資本の恩恵的施策にみせかけるもの
 3 どのような社会保障をめざせばよいのか
   前提としての最低賃金制の確立
   国民保険の改善提案
   全額税負担(企業に対する目的税=社会保障税と一般租税)による社会保障提案
 4 日本的社会保険から企業に対する社会保障税(目的税)による社会保障への転換
 5 新しい社会保障の姿
   社会保障執行機関のあり方
   福祉国家再生のための新税および新社会保障
 6 新しい社会保障の財政見通し
 7 国民の望む社会保障とは

おわりに
 

本を探す

書籍キーワード検索

詳細検索

書籍ジャンル検索