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書籍名 民事裁判の法史学
副題 村と土地の裁判と法
著者 山中永之佑
判型 A5判
頁数 346頁
発行年月 2005年11月
定価 7,920円(税込)
ISBN ISBN4-589-02885-9
ジャンル 法哲学・法社会学・法制史
本の説明 土地契約、所有権をめぐる裁判に法史学はいかにかかわるべきか。証人として、また「鑑定意見書」を通して民事裁判に関与した著者が、裁判の現実に法史学の重要性を説く。
目次 はじめに
序 章 何故、私は本書の執筆を思い立ったか―本書の意図と概要―
第一章 講有地は誰のものか―大阪府貝塚市D(旧D村)X伊勢講の場合―
 はじめに
 第一節 X伊勢講講有地(現貝塚市D〔旧D村字O〕所在)が
                          講員Y・Aの名義とされた事情
 第二節 明治一一年と明治一四年の「為取換(替)約定証書」
            (甲第三号証・乙第九号証と甲第二号証・乙第一〇号証)の解釈
 第三節 講への納米とO地に対するY・Aらを含む講員の認識
 第四節 X伊勢講が購入したF地を講員共有地として登記した時期
      およびその時期にO地の登記簿上の所有名義をX伊勢講講有地(講員共有地)
      に変更しなかった理由
 第五節 (旧)D村に存在した他講の状況
 第六節 (旧)D村の伊勢講・山上講・宮座講の講有地に共通する事実
 おわりに―むすびにかえて―
第二章 講廃止
    →禁止令下において講員はどのようにして講と講有地を維持、存続していったか
                    ―大阪府羽曳野市軽里、東・西寄講の場合―
 はじめに
 第一節 講廃止→禁止令の意義
  一 諸講の存在
  二 神道国教化政策と講廃止→禁止令
 第二節 東・西寄講講員共有地の維持、存続とその方法
  一 桜井神社宮座講の廃止
  二 東・西寄講講員共有地の維持、存続とその方法
   一 西寄講の場合
   二 西寄講の廃止と公認講社敬神会の結成
   三 東寄講の場合
 第三節 東・西寄講講員共有地の返戻と平等持分権の確認
  一 西寄講における講員共有地返戻の企図
  二 西寄講員の講員共有地に対する権利意識の態様
  三 東寄講における講員共有地返戻の企図の実現とその実態
  四 東・西寄講員の講員共有地に対する強固な権利(所有権)意識
 おわりに―むすびにかえて―
第三章 池敷・堤塘は誰のものか―大阪府堺市福田清水池の場合―
 はじめに
 第一節 清水池の規模と性格
 第二節 水利権と池敷・堤塘所有権
 第三節 池敷・堤塘所有権者判定の基準
 おわりに―むすびにかえて―
  一 清水池池敷・堤塘の所有権者
  二 旧村有財産と旧村地区自治会等地縁による団体
第四章 土地台帳・土地共有者台帳の登録事項はどのように解釈されるか
      ―大阪府大阪狭山市池尻のへど池池敷・堤塘の所有権をめぐって―
 はじめに
 第一節 へど池の歴史的沿革についての法史学的考察(素描)
 第二節 土地台帳と登記簿の関連についての法史学的考察(粗描)
 第三節 へど池池敷・堤塘の土地台帳・土地共有者台帳からみた
                  土地台帳・土地共有者台帳の性格と機能の問題点
  一 へど池池敷・堤塘の土地台帳・土地共有者台帳
  二 土地台帳と明治二二年国税徴収法
  三 明治二三年九月一九日、大阪府訓令第五四号と
              へど池池敷・堤塘の土地台帳・土地共有者台帳の登録事項
  四 収税部出張所の職務と土地台帳・土地共有者台帳(とくにその「摘要」欄)
                                   の登録事項
  五 明治二八年一月二六日、大蔵省訓令第四号、収税署事務取扱規程に規定された
                                「所有権ノ歩合等」
 おわりに―むすびにかえて―
  一 土地台帳・土地共有者台帳の性格と機能
  二 へど池池敷・堤塘の土地台帳・土地共有者台帳の登録事項の意味
  三 へど池池敷・堤塘の所有権者
 付論 へど池池敷・堤塘の所有権者の推移
      ―池尻村公有地から池尻村ほか三か村共有地へ―
第五章 旧村役職者間において締結された「山林境界契約証」は法的に有効か
      ―兵庫県武庫郡山田村のうち旧小部村・旧下谷上村の場合―
 はじめに
 第一節 兵庫県における町村制度の展開―村役職者を中心に―
 第二節 明治二二年の町村制施行前の村と村役職者
 第三節 明治二二年の町村制施行後の行政村と旧村役職者の準公的機関としての役割
 第四節 「山田村之内下谷上村小部村山林境界契約証」(史料一)と
          「山田村之内小部村下谷上村山林境界契約証」(史料二)の法的有効性
 おわりに―むすびにかえて―

〈初出一覧〉
序 章 「法史学と実践」法の科学三二号〔日本評論社、二〇〇二年〕―改訂・増補
第一章 「明治初期堺県の講廃止令と講有地」菅生綜合法律事務所編『弁護士三十年』
                 〔菅生綜合法律事務所、一九八七年〕―改訂・増補
第二章 「大阪都市圏における近代市民的権利意識に関する一試論
              ―講員たちの『権利のための闘争』」宇田正・畠山秀樹編
    『歴史都市圏大阪への新接近』〔嵯峨野書院、二〇〇一年〕―改訂
第三章 「池敷所有権の歸属について―和泉国大鳥郡福田村清水池の場合―」
                阪大法学二〇一・二〇二号、一九九九年―改訂・増補
第四章 「土地台帳・土地共有者台帳の性格と機能
           ―大阪府丹南郡池尻村へど池池敷・堤塘の所有権をめぐって―」
                阪大法学二一九・二二〇号、二〇〇二年―改訂・増補
第五章 「旧村役職者間に締結された契約証の有効性」追手門経営論集一巻一号、
                             一九九五年―改訂・増補
 

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