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書籍名 堀木訴訟運動史
著者 堀木訴訟運動史編集委員会
判型 A5判
頁数 918頁
発行年月 1987年3月
定価 14,300円(税込)
ISBN ISBN4-589-01307-X
ジャンル 社会保障・社会福祉
本の説明 「人間らしく生きたい!」全盲の母の12年におよぶ裁判と支援運動の全過程と資料を網羅し、社会保障法、社会福祉論、貧困論の角度から分析。21世紀にむかう国民の生活を守り発展させる社会保障理論、運動の確立をめざす。
目次 目次
はしがき
はじめにー人みな平等に、人として生きる権利を有することを
 1 堀木訴訟運動とは
 2 堀木訴訟に先立って
 3 堀木訴訟と運動の経過概要
T 歴史編ー裁判、運動の経過と評価
 第一章 堀木訴訟はどうしておこったかー訴訟の必然性
  1 堀木フミ子の生涯
   一 出生から島を出るまで
   二 職人時代
   三 結婚とその破綻
   四 二人の子をかかえてー貧困とのたたかい
   五 児童扶養手当の申請ー堀木プミ子の生活をふりかえって
  2 堀木訴訟の背景ー盲人生活の実態ーに関する素描
   はじめに
   一 とりとめたい生活の辺々
   二 主だった動き
   三 投書欄等に表れた盲人生活の実相
   むすび
  3 社会保障政策の歴史
   一 社会保障における無権利状態と堀木訴訟の必然性
   二 日本社会保障の歴史と特質
    (1)戦前ー社会保障の不在と富国強兵・戦争遂行政策
    (2)戦後ー人権としての社会保障と社会保障政策の乖離
   三 福祉年金と児童扶養手当法の制定経過
  4 それまでの社会保障運動
  5 社会保障運動の歴史
   一 労働組合と社会保障運動
    (1)失業保障と医療保障運動から
    (2)生活保護法と失業保険の制定
    (3)労働組合と社会保障連動
   二 社保協結成と社会保障運動の前進
   三 一九七〇年代の「生活闘争」と統一的社会保障運動の停滞
    (1)総評の「生活闘争」と運動の前進
   四 社会保障運動と権利としての社会保障
    (1)権利としての社会保障と障害者
    (2)敗戦直後の社会保障運動
    (3)六〇年代社会保障運動の展開
    (4)社会保障運動と社会保障裁判
 第二章 開始された堀木訴訟(第一審)
  序 福祉元年と一審判決ー一審判決(昭四七・九・二〇)、法改正(昭四八・九・二六)を生み出したもの
   一 高度経済成長政策の矛盾と運動の高揚
   二 生命・生活破壊に対する運動の展開
    (1)公害反対運動
    (2)生活闘争ー年金ストー国民春闘
    (3)老後保障運動と老人医療無料化
    (4)障害者運動と心身障害者対策基本法
    (5)母子の運動と児童手当制度
   三 福祉元年への道
   四 福祉元年と一審判決
  1 裁判にもちこむ
   一 問題を提起する
   二 不服申し立
   三 弁護団の編成
   四 運動の体制
   五 訴状の提出と裁判への期待
  2 裁判の経過と争点
   一 併給禁止の合理性をめぐる論争
    (1)憲法一四条をめぐる論争
    (2)憲法二五条をめぐる論争
   二 裁判の進め方と障害者の権利
    (1)「口頭」弁論の実施
    (2)障害者が証言台へ
    (3)障害者と裁判を受ける権利についてのまとめ
    (4)学者の参加と弁護団の体制
  3 支援運動のひろがり
   一 堀木さんを支える力の弱さ
   二 支援する会の結成と活動
   三 支援運動の再開
   四 障害者・学生の中へ
   五 着実な前進
  4 裁判の流れー第一回期日から一審判決まで
  5 堀木訴訟運動の意義の明確化
   一 障害者が主権者になるためにー田中昌人証言
   二 障害老の生活実態
    (1)お金がなくてわが子を亡くすー証人 西村しずこ
    (2)低い収入で苦労した障害者ー証人 糸洲安登(全盲、鐵灸師)
    (3)働く場も奪われてー証人 岡村周昭(右上肢、両下肢障害)
    (4)障害者はこんた苦労を
    (5)どうしても併給が必要だ
   三 横へのひろがりーあけぼの学園事件
    (1)特別児童扶養手当の併給禁止
    (2)立法の際の議論
    (3)堀木訴訟での争点となる
   四 あいつぐ年金訴訟
   五 一審判決へのうねり
  6 画期的一審勝利判決
   一 判決の日
   二 判決内容とその評価
    (1)実質的平等の視点
    (2)併給禁止は財政理由に過ぎない
    (3)差別の合理性は発見できない
    (4)大いなる差別を放置できない
   三 判決の特色
   四 反響
   “エピソード”1金沢穐子/市野裕子/岡村周昭/稲畑弘/河野憲利
  7 障害者・母子世帯の生活実態と堀木訴訟
   一 社会保障裁判と生活実態
   二 堀木訴訟の審理・判決における実態の活用とその法理
    (1)第一審々理と判決において
    (2)控訴審々理と判決において
    (3)上告審々理と判決において
  8 憲法一四条と堀木訴訟
   一 一審判決の憲法一四条論に含まれる諸論点
   二 実質的平等概念と判決の意義
 第三章 控訴審の攻防(第二審)
  序 低成長、福祉見直しと二審判決
   一 生活不安の増大と「いのちとくらし」を守る運動の発展
   二 危機の進行と国民生活
   三 「福祉見直し」下の社会保障・社会福祉
   四 「福祉見直し」論と二審判決
  1 不当な控訴に至る経過 
   一 支援する会の動き
    (1)“控訴するな”兵庫県に申入れ
    (2)厚生大臣との会見
    (3)世論に背を向けた不当な控訴
    (4)不当な控訴に抗議
    (5)控訴審の闘いのはじまり
   二 国会での質疑
   三 兵庫県知事の声明・随想
  2 訴訟の新しい局面ー控訴の意味
  3 かちとった法改正
   一 法改正の経過と内容
    (1)改正案の国会提出まで
    (2)国会における審議
    (3)法改正の内容
   二 法改正の意義
  4 控訴審にとりくむ弁護団の体制
   一 弁護団の再編成
   二 控訴審の進行と新たな争点
   三 後半戦のあらましー証人調べ
    (1)坂本証言ー「児童扶養手当についての反対尋問を制限」
    (2)安藤証言ー「福祉は主観的な満足感」
    (3)児島証言ー「障害者福祉の現状ー貧困の証明」
    (4)河野証言ー「併給調整のポイント」
    (5)角田証言ー「生活できる年金」の原則
    (6)飯田証言ー「子どもの熱は唇でみます」
    (7)堀木証言ー「初めて証言台へ」
  5 支援の全国化
   一 支援拡大ー中対協結成にむけて
   二 堀木訴訟中央対策協議会結成
   三 控訴おろせのたたかい
   四 大行進への取り組み
   五 支援活動の拡大
  6 生活実態調査の取り組み
   一 生活実態調査の必要性
   二 取り組みの体制
   三 調査結果と調査員の感想
  7 控訴審判決〈終盤戦ー判決前の動き〉
   一 最終準備書面の作成
   二 年金裁判をめぐる司法状況
   三 控訴審判決の内容
   四 控訴審判決(その2)ー国民はどう受けとめたか
   五 逆転判決の原因を探る
    (1)違憲審査の自己抑制
    (2)支配層の社会保障政策
    (3)何が逆転判決を許したか
   “エピソード”2 飯田良子/高田久美子/星野昌子/児島美都子/亀甲孝一/佐野真澄美/海藤枝美子/宮下さつき/坂本淳/飯田ますみ/早乙女勝元/田中美智子
  8 判決と憲法二五条ー憲法二五条一項二項峻別論の帰趨ー
   はじめにー一四条論から二五条論へ
   一 国側主張の憲法二五条一項二項峻別論
    (1)救貧・防貧分類論
    (2)狭義の憲法二五条一項二項峻別論
    (3)分類判断の方法ー審理方式の規制ー
   二 控訴審判決による峻別論の受容と矛盾
    (1)国側主張との断層と矛盾の懐胎
    (2)憲法二五条一項二項峻別論の難点
    (3)憲法二五条一項二項峻別論の帰趨  
  9 併給調整と堀木訴訟
   はじめに
   一 不合理な併給調整
    (1)同一人に二以上の給付事由が重複する場合
    (2)同一事由により複数の受給権が生ずる場合
    (3)夫婦単位でみた場合の重複のケース
   二 八五年改正案による調整と問題点
    (1)同一人に二以上の給付事由が重複する場合
    (2)同一事由による重複の場合
    (3)夫婦単位の重複
   三 小括
  10 社会保障の財源と堀木訴訟
   一 問題状況と課題の限定
   二 両判決の財源論の構造とその問題性
   三 社会保障財源と立法裁量論
   四 結びにかえて
 第四章 いよいよ最高裁へ(第三審)
  序 臨調路線・福祉切り捨てと最高裁判決
   はじめに
   一 臨調路線・福祉切り捨てへ至る道ー「日本型福祉社会論」の形成過程ー
   二 臨調「行革」と福祉の切り捨て
   三 臨調路線と堀木訴訟運動
  1 上告の決意
   一 堀木さん上告を決意する
   二 上告の意義
   三 上告弁護団の体制と上告理由書の作成
   (1)上告状の提出
   (2)上告理由書の作成
   (3)上告理由書の提出
   (4)上告弁護団体制の拡大
   四 社会保障闘争への発展
   五 東京に連絡事務所設置
  2 運動の全国的拡がりと労働者の運動をめざして
   はじめに
   (1)労働運動のなかでの堀木訴訟の取り組み
   (2)堀木訴訟のたたかいを引き継いで、たたかっている「くらしと福祉」運動
   一 全国的支援体制を
   (1)キャラバン行進を決定
   (2)全国オルグヘ
   (3)行進の出発
   二 堀木プミ子と従姉妹の子・堀木スミの「別離」と「再会」
   (1)戦争、貧困、そして別離
   (2)フミ子の帰郷
   (3)スミの健在わかる
   (4)フミ子とスミの再会
  3 かちとった大法廷移行と口頭弁論
   一 手探りの七年間
   二 大法廷移行の意義とかちとった力
   三 口頭弁論開く
   四 雨の中の口頭弁論
  4 許せぬ最高裁判決ー権力に屈した全員一致判決
   一 判決をむかえる取り組み
   二 裏切った“七夕判決”
   (1)裁判四三八○日目の朝
   (2)勝利判決は七夕のたんざくに
   (3)臨調路線に抗議して盲導犬ほえる
   (4)生活から遠のいた憲法
   (5)怒りは雨をついたデモの流れとなって
   (6)声明、世論、マスコミ
   (7)大法廷判決の内容と問題点
   三 大法廷判決の意味と影響
   (1)判決をめぐる司法状況
   (2)臨調・行政改革と大法廷判決
   (3)憲法裁判における司法の役割
   (4)判決の影響
  “エピソード”3
   F・M/前哲夫/渡辺久美子/小林伊都子/古川節子/秋城京/西原芳子/横山瑞史/藤田徹/垣花芳枝/天利紀子/上野幸子/若生/吉田洋/糸洲安登
  5 国際障害者年と堀木訴訟
   はじめに
   一 国際障害者年の経過と意義
   (1)国際障害者年の経過
   (2)国際障害者年の意義
   二 国際障害者年の理念と最高裁判決
   (1)生活実態「解釈」の恣意性ー判決の根本的問題
   (2)憲法二五条解釈と立法裁量論
   (3)憲法一四条解釈と併給禁止条項
   三 障害者の裁判を受ける権利・傍聴する権利と堀木訴訟運動
  6 立法裁量論
   はじめに
   一 最高裁判決の立法裁量論
   二 社会保障裁判と立法裁量論の今後
      立法裁量論の意義と限界
   むすびに
  7 最高裁判決の問題点
   まえがき
   一 広範な立法裁量論
   (1)立法裁量論と人権論
   (2)立法裁量論と三権分立論
   (3)立法裁量論と裁判本質論
   二 社会権の理解をめぐる問題点
   (1)憲法二五条一項と二項の関係
   (2)併給禁止の非合理性=反憲法性
   (3)平等条項と社会権
   まとめ
 
U 総括と展望
 第一章 総括論文
  1 国民のための司法をかちとるための堀木訴訟
   一 問題の所在
   二 障害者の生活実態と裁判の役割
   三 障害者の裁判を受ける権利
   四 憲法二五条の裁判規範性をめぐる問題についてー上告審判決の批判的検討ー
   五 憲法一四条と憲法二五条の交差
   六 まとめにかえて
  2 障害者運動の歴史にとっての堀木訴訟
   はじめに
   一 堀木訴訟がおこされた背景
   二 障害者運動の流れ
   三 堀木訴訟提訴後の障害者運動
   四 障害者運動にとっての堀木訴訟
   五 今後の運動にむけて
  3 国民生活の実態ー貧困と堀木訴訟
   はじめに
   一 国民生活における貧困の実態
   (1)貧困の量
   (2)生活保護基準以下生活の実態
   (3)低所得層の変質についてー貧困の顕在性について
   おわりにー貧困と堀木訴訟
  4 人民による、人権のためのたたかい、社会保障のためのたたかいとしての堀木訴訟ー将来にむかっての意義ー
   一 堀木訴訟ーそれは何であったか
   二 人権のためのたたかいーそれは何より人間の尊厳のため
   三 社会保障権の人権性をより明らかに
   四 生存権と平等権の不可分性ー障害者の権利
   五 障害者の家族形成・確立・維持の権利ー障害者における人権としての家族ー
   六 児童の権利の観点から
   七 社会保障制度改正を獲得
   八 無拠出給付の意義
   むすび
  5 堀木訴訟と朝日訴訟.
   はじめに
   一 朝日訴訟
   (1)訴訟の動機と背景
   (2)勝利の判決
   (3)矛盾にみちた二審判決
   (4)没後の運動
   (5)非道な最高裁判決
   (6)朝日訴訟十年の教訓
   二 堀木訴訟と朝日訴訟
   (1)朝日訴訟を創造的に発展させた闘争
   (2)今こそ堀木訴訟運動の教訓を
 第二章 堀木訴訟運動を通して思うこと
   藤田和代/山田淑恵/綾部優子/村松和子/鈴木信人/芹沢義和/野村武司/山内英人/真野哲夫/三浦正己/成相幸良/永山誠/丹羽謙次/小林義雄/桐島正義
 座談会
 資料
 文献・パンフレット出版目録
 年表
 追悼のことば(藤原精吾・黒津右次)
 読者へのあとがき
 

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