書籍名 | 法文化の探求〔改訂版〕 |
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副題 | 法文化比較にむけて |
著者 |
角田猛之著 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 328頁 |
発行年月 | 2001年11月 |
定価 | 3,080円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02542-6 |
本の説明 |
法文化のあり方を「法についての文化」と「法にあらわれた文化」の2つの視点からアプローチ。「ヒト・クローン計画」や最新のフランスにおけるカルト規制の動向を盛り込んだ補訂版 この書籍は品切につき入手できません |
目次 |
はしがき プロローグ―本書における法文化のイメージ 1 法文化―法システムと法秩序とのかかわりで 2 本書での法文化論・各論のメイン・テーマ ―いのち、女性、罪と罰、宗教、そしてナショナル・アイデンティティ PARTT いのちをめぐる法文化 はじめに―いのちをめぐる自然と人為 <コラム>性同一性障害と性転換 1 性と生―クローン人間をめぐって 1 クローンとは―クローン技術をめぐる基本事項 2 クローン人間の法的規制アメリカとイギリス、そして、 日本の専門委員会報告に依拠して 1 アメリカの場合―国家生命倫理諮問委員会答申 2 イギリスの場合―ヒト遺伝学諮問委員会答申 3 日本の場合―「クローン技術による人個体の産生等に関する基本備考え方」 <ダイヤグラム>クローンの産生 <マテリアル>「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」 生殖医療の新展開―生殖医療に関する新法の制定に向けて イタリア人医師によるヒトクローン計画の公表 2 死と生―脳死と臓器移植 1 はじめに―生死ではなく死生 2 脳死と臓器移植―臓器移植法のなかみと問題点 1 脳死の意味と脳死判定基準 2 臓器移植法のなかみと問題点 3 死を法によって規定することへの反感 <コラム>臓器移植をめぐる基本理念 あらゆる形態の臓器売買の厳禁 <マテリアル>各国の脳死・臓器移植関係の法制度 ―第一要件and第二要件との比較 現行臓器移植法の見直し提案―条件緩和と小児のドナー 末期状態にある患者の死の迎え方―尊厳死と安楽死 PARTU 女性をめぐる法文化 はじめに―タテマエとホンネ <コラム>タテマエとホンネのズレ―ニ・三の事例 3 女性の法的地位をめぐる最近の動向―日本の場合 <マテリアル>九六年「民法の一部を改正する法律案要綱」のポイント 4 女性と職場―男女雇用機会均等法の見直しとセクシュアル・ハラスメント 1 はじめに―撤廃条約のインパクトとその後 2 新均等法の概要―旧均等法との比較をふまえて 1 努力規定から禁止規定へ 2 「女性のみ」・「女性優遇」措置の原則的禁止 3 救済制度の整備 3 セクシュアル・ハラスメントとセクハラ―社会的意味と法的意味 1 セクシュアル・ハラスメントのニュアンス―法文化論的考察をもまじえて 2 法概念としてのセクシュアル・ハラスメントの意味 <コラム>新均等法とポジティブ・アクション <マテリアル>セクシュアル・ハラスメントをめぐるキーターム 5 女性と家族―日本とヨーロッパの現行家族法の見直し提案をてがかりに 1 はじめに―不平等なファクターの残存 2 わが国における家族法の見直し提案 ―選択的夫婦別氏制度の導入と破綻主義離婚の徹底 1 選択的夫婦別氏制度導入の意義 2 離婚制度の見直し積極的破綻主義にむけて 3 ヨーロッパの場合―スコットランドの家族法をめぐって 1 スコットランドの婚姻法―民事婚と宗教婚 2 スコットランドの離婚法―積極的破綻主義離婚の展開 <コラム>スコットランドの不正規婚―駆け落ち婚と同棲婚 PARTV 罪と罰をめぐる法文化 はじめに―“罪と罰”と倫理と宗教と法 6 少年犯罪と少年法―少年処遇の日英比較 1 はじめに―厳罰化論議の高まり 2 わが国の少年犯罪とその処遇―少年法改正をもふまえて 1 少年法と少年の処遇 2 少年犯罪被害当事者の会による少年法改正を求める要望書 ―被害者のパースペクティブから 3 少年処遇をめぐるスコットランドの状況 ―わが国の少年法との比較をも視野に入れて 1 はじめに―処罰主義から保護主義へ 2 犯罪を犯した児童に対する刑事処罰 3 非行あるいは犯罪を犯した児童の処遇―児童聴聞制度 <ダイヤグラム>少年事件手続きのフローチャート <コラム>検察官への逆送 刑事責任と刑事処分 <マテリアル>改正少年法の規定 あらたな法規制―犯罪被害者への配慮 少年の実名報道をめぐって―「堺市女児等殺傷事件」判決をめぐって 7 宗教と狂気と法―カルト犯罪とカルト規制 1 はじめに―カルトというタームのさまざまな用法 2 日本の現状―オウム取り締まりをめぐって 1 オウムヘの破防法適用問題 2 団体規制法の成立とオウムヘの適用―“オウム・バッシング” 3 カルト規制に関する基本的認識―日本とフランス 1 日本の場合―日弁連・消費者問題対策委員会編 「反社会的な宗教的活動にかかわる消費者被害等の救済の指針」 2 フランスの場合―八五年・ヴィヴィアン報告書と九六年・キュイヤール報告書 <コラム>先進国でカルトが乱立する三つの理由―浅見定雄の指摘 オウム教団の組織のあり方と組織原理 カルトに関するEC決議 <マテリアル>破防法による団体規制の法的仕組み オウム関係年表とオウム裁判の二〇〇〇年末現在の概況 団体規制法の主要規定の概要 オウム・バッシング―日弁連による「人権救済の申立」の承認 フランスでセクト対策法成立―二〇〇一年五月三〇日 PARTW 宗教をめぐる法文化 はじめに―法文化論の最重要テーマのひとつとしての宗教 8 宗教と法問題―欧米と日本の法文化比較をもまじえて 1 はじめに―宗教と法問題へのアプローチの多様性 2 宗教と法問題―マクロとミクロ 1 “the law”=「マクロの視点」―法システムのレベル 2 “a law”ミクロの視点―個別の法、法観念、法制度のレベル 3 宗教と法をめぐる法文化―欧米と日本 1 一神教社会・西洋の宗教と法問題―キリスト教と法文化 2 多神教社会・日本の法と宗教―「多神教のエートス」とオウム事件 9 天皇制をめぐる法と社会と宗教―神権天皇制と国家神道 1 はじめに―「神の国」発言をめぐって 2 神権天皇と人間宣言―人が神になれる文化となれない文化 1 人が神になれる文化となれない文化 2 人が神になれる文化と神権天皇制 3 天皇制と国家神道―日本型信教の自由刑 <コラム>神権天皇と「國■」―教育勅語と「國■の本義」、「臣民の道」 神権天皇を中核とする「國■」がはらむ二面的契機―虚構と実像 <マテリアル>人を神に祀る習俗と現人神天皇―宮田登の見解 PARTX ナショナル・アイデンティティをめぐる法文化 はじめに―法と象徴問題 10 ナショナル・アイデンティティのにない手―天皇と国民議会・司法制度 1 法と象徴問題―千葉正士の見解に依拠して 2 天皇とナショナル・アイデンティティ―「天皇と象徴」問題 1 日本国憲法における象徴天皇制の意味 2 ナショナル・アイデンティティのにない手としての象徴天皇 ―「天皇と象徴」問題 3 「国民」議会・司法制度とナショナル・アイデンティティ ―スコットランドの場合 1 はじめに―連合条約と教会と教育と法 2 議会とナショナル・アイデンティティ―スコットランド議会の開設 3 スコットランド司法のハードの側面―裁判所制度 4 スコットランド司法のソフトの側面―アドヴォケイトとソリシタ <コラム>スコットランドの「司法試験」 <マテリアル>神権天皇と象徴天皇の連続性史観―和辻哲郎の天皇論 エピローグ―おわりとはじまり―TOPICS分析をふまえて あとがき 人名索引 事項索引 文献案内 |