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書籍名 | 新・人間性の危機と再生 |
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著者 |
飯田哲也・ 中川順子・ 浜岡政好編著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 234頁 |
発行年月 | 2001年4月 |
定価 | 2,860円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02483-7 |
ジャンル | 家族・生活問題 |
本の説明 | 近年ますます広範化・深刻化する社会問題−子ども、家族、地域、高齢化など−を「人間性の危機」と捉え、人間性のあり方を軸に展開。分野別に現実を認識し、再生にむけて共感の論理と「できること」を提言する。 |
目次 |
はしがき 序章 人間性の危機としての問題状況 はじめに―問題の提起 1 人間性について考える 人間性の見方をめぐって/人間とはどんな存在か 2 日本の社会問題の現段階 高度経済成長期までの社会問題/最近の問題状況/問題状況の具体的現れ 3 人間形成を根本的に考える必要性 第1章 「豊かな社会」の揺らぎと貧困の新しいかたち はじめに 1 「豊かな社会」の転換とホームレス型貧困の急激な広がり ホームレスとは何か/ホームレスの増大とその要因/ 日雇労働者の階層性とホームレス 2 日本型高消費生活様式の解体とクレジット・ローン破綻型貧困の激増 多重債務・個人の自己破産の実態/借金依存型生活様式の行き詰まり 3 現代の「孤立貧」=「孤立死」が示すもの 「孤独死」の多発/東京・豊島区の母子餓死事件/ 沈黙する貧困を生み出すもの 4 現代における貧困問題の大量噴出とその背景 1990年代における貧困の新しいかたち/ なぜ、今、貧困問題の大量噴出なのか? おわりに―現代の貧困・生活危機からの脱却にむけて 第2章 現代における子ども問題 はじめに 1 子どもの戦後史と現在の危機 子どもの「健全育成」と「権利保障」/子ども統計の特徴的な変化/ 子どもを取り巻く家族と地域の変容/学校教育の変容/少年非行の変容 2 学校社会化と消費社会化 学校社会化と「よい子戦争」/時代の閉塞感と関係性の喪失/ 消費社会化とアノミー/バーチャルと頽廃文化 3 子どもの再生と人間形成の展望 影のなかの光の可能性/大人のかかわり方という課題 おわりに 第3章 現代における愛と性 はじめに 1 愛と性の現状況―「愛の希薄化」と「性の過剰化」 若者の性行動と性意識/中年・既婚者の性/婚外の性と『失楽園』 2 現代の性関連産業と性の商品化 性関連産業の隆盛/女性の性の商品化と売春の素人化/売春する側の論理/ 「共同体」規制の消失と消費社会におけるメディア 3 愛と性の再生に向かって―愛の育つ社会とは エロス・性愛とは/「家族単位」から「シングル単位」の社会へ/ 「愛する技術」の習練/マイノリティの性愛をめぐって 第4章 日常世界における病理 はじめに―病理の日常化 1 アノミーの風景―モノ・カネ・ココロをめぐる欲望の現在 アノミーの現在〈モノ〉/アノミーの現在〈カネ〉/ ロマンティック・ラブ・イデオロギーと「ココロ」 2 エゴイズムの現在―過敏なエゴ 「こころの危機」説の周辺/エゴイストの横顔/過敏という病 3 リアリティと想像力 むすびにかえて―ことばを獲得するために 第5章 現代の夫−妻関係 1 家族の変容と「夫−妻関係」 憲法第24条と新しい家族のあり方の可能性/ 現代家族の「多様化」とライフスタイルの多様化 2 多様化の原点としての「夫−妻関係の大企業モデル」(「日本型近代家族」) 家族ぐるみの企業への包摂と「夫−妻関係の大企業モデル」の形成 「夫−妻関係の大企業モデル」の他階層への浸透 3 子どもの登場と夫−妻関係の再編 妻の「専業主婦−母」化と夫の家族離れ/妻のライフスタイルの分化と多様化 4 夫のライフスタイルの変化 転職社会化と個人中心的ライフスタイルヘの方向づけ/ 男性のライフスタイルの多様化と「両立型ライフスタイル」の可能性 おわりに―自立・共生の世界へ、そして夫−妻の新たな関係性をめざして 第6章 都市計画から参加のまちづくりへ はじめに 1 都市計画の行き詰まり 課題1:他律的社会の限界 課題2:分断された「公・私」と「私からほとばしり出る公共性」 課題3:場所と人の関係の希薄化 課題4:人の関係性の希薄化/孤住と他律の社会の行き詰まり 2 参加のまちづくりが始まった 都市計画からまちづくりへ/参加のまちづくりへ 3 ワークショップがひらく相互変容と価値創造のプロセス 嵐山さくらトイレ物語/さくらトイレの示すもの 4 地球のことは地域で決める・地域の者は地域で守る 地域がまちづくりを担うために/まちづくり協議会とは何か/ 真野まちづくり推進会/まちづくり協議会の課題/地域を運営する新しい動き まとめにかえて 参加のまちづくりにおいて最も重要な要件は「ひと」である/ 行政は何をなすべきか 第7章 地域社会の多様性の喪失と再生 はじめに 1 地域社会とは何か 居住と地域社会/地域社会の2つの側面 2 高度消費社会のなかの「条件としての地域社会」 地域における雇用と経営の悪化/高度消費社会の進行と街並みの無個性化/ 少子化・高齢化による地域活力の減退/ 自治体のサービス資源の涸渇と「相互活動としての地域社会」への期待 3 閉鎖的家族主義と「相互活動としての地域社会」 閉鎖的家族主義と近隣関係/閉鎖的家族主義と地域社会から孤立した住民 4 地域を家族と個人の「自立を支える協同」の場とするために ボランタリー・アソシエーションと地縁型組織の協同が創る多様性/ 閉鎖的家族主義にほんの少し、抵抗するために 第8章 現代熟年の職場問題 1 団塊世代の苦悩 2 生活歴と価値観形成 戦後民主主義の世代/「公平な競争」肯定の世代/労働組合空洞化の世代/ 新型マイホーム主義の世代 3 能力主義の徹底と職場労働 雇用政策の転換/賃金制度の転換/長時間・過密労働 4 人間性の再生に向けて 新たな運動と組織の可能性/生存権を守るために 第9章 「老い」の変貌と再生 はじめに 1 「老い」の福祉施策の意味 わが国の老人福祉施策/ゴールドプランの成立/公的介護保険をめぐる論議 2 「老い」とエイジズム 「老い」の2つの像/「老い」の無用化とエイジズム/「老い」の問題現象 3 「老い」の変貌 「老い」の現役論/「老い」の社会理論/「老い」の延長と社会適応/ 「残された『老い』」 4 「老い」の再生と新生 「老人力」の分析/「老い」の再生・新生 終章 日本社会と人間性の再生 1 基本的確認 問題の所在/「活動」の重要性/民主主義について 2 再生の困難さについて 日本人の国民性/価値観の多様化/家族生活の問題性について 3 日常性から運動論へ 「再生」を考える手がかりとしての家族/「かけ声」だけからの脱出/ できることから始める/政党・労働組合・市民組織の対等な連帯を おわりに |