- TOP
- > 書籍ジャンル検索
- > 〓スv〓スz〓スE〓ス|〓スp
- > 逸脱する絵画
書籍名 | 逸脱する絵画 |
---|---|
副題 | 20世紀芸術学講義T |
著者 |
宮下誠著 |
判型 | A5(変形)判 |
頁数 | 392頁 |
発行年月 | 2002年5月 |
定価 | 3,960円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02578-7 |
ジャンル | 思想・芸術 |
本の説明 | 鮮やかな切り口と軽妙洒脱な語りで20世紀西洋美術の世界をレクチャー。作品の記述=解釈をベースに、縦横無尽な言葉と柔軟な思考で「絵画の運命」に寄りそって物語を紡ぎだす。74冊のコメント付文献案内は圧巻。 |
目次 |
謝辞 方法叙説、或いは方法蛇足 鎌倉から京都へ/『パウル・クレーと20世紀の芸術』/瓢箪から駒/挑 発/槐より始めよ/挑発・U/花より枝豆/方法蛇足/幽霊を捉えてみ れば枯れ尾花/作品が多すぎる/逸脱/表象と言語の架橋不可能性/後 日談/芸術学について、ちょっと照れますが/本講義録の表記について 第1講義 或いは、極私的文献案内 「美術史学」というものを知るために/西洋美術史概説/20世紀美術史 /「美術史」を反省する/おまけ 第2講義 19世紀的美意識の崩壊、或いは端なくも露呈する紳士たちの下半身 アカデミスムの誘惑/大きいことは良いことか?/後ずさりして「見る」 ゴジラ/山椒は小粒でピリリと辛い?/クールベの戦略的レアリスム/ 破廉恥な『昼食』/眼差しのエロティシズム/隠される裸体/欲望とし ての「見ること」と「脱神話化」 第3講義 所謂印象主義の、戦略的修辞学、或いは「存在」から「現象」へ 鏡「のような」表面=絵画に於ける完成と未完成の問題/完成の条件/ 割れた鏡のパラドクス/印象主義の「現象論的」世界観/「永遠」の現 在化から「現在」の永遠化へ/近くから見たときと遠くから見たとき― ベラスケス、フェルメールの「印象」/途轍もない「印象」/印象主義 の「ダブル・スタンダード」/印象派と呼ばれる画家たちの戦略的修辞 学/印象主義の経済学 第4講義 ゴッホの呪詛 主観を描く/印象主義と美術史学の「隠微な関係」/「純粋可視性」と 印象主義の「現象論」/「芸術意欲」とポスト印象派の「精神」/『星 月夜』は本当にそう見えるのか?/ゴッホの「色眼鏡」/複眼の世界観 /紫色の向日葵 第5講義 近眼のセザンヌと『アヴィニョン街の娘たち』 イニシエーションとしての「異語」/カゴメウミヒドラの言語学/危険 回避システムとしての遠近法/神の遠近法/世界認識システムとしての 遠近法/プリクラとケイタイ/近眼のセザンヌ/鉤鼻の『娘たち』/ 『娘たち』と賽子キャラメル/ホラーとしての『娘たち』 第6講義 フランツ・マルクとキュビスム、 或いは「『雪の上に横たわる犬』から『虎』へ」ほか 『雪の上に横たわる犬』から『虎』へ ―フランツ・マルクとキュビスム(1) 序/『雪の上に横たわる犬』/曲線の系譜/マルクとキュビスム/『虎』 /「ミュンヒェン新美術家協会」展/直線と曲線の葛藤/結 『動物の運命』と夜の森 『跳ねる馬』と分析的キュビスム/夜の森の「修辞学」/ものそのもの の「介入」/『瓶、グラス、ヴァイオリン』(1912−13年)/ディメン ションの相互牽制と「ことば」化 第7講義 『赤のアトリエ』、或いはルネサンス・バキュームの終焉 アトリエのコスモロジー/脳髄としてのアトリエ/『赤いアトリエ』 (1911年)/「画家」の視線/白い、線が、ない/「主不在の額縁」/ 赤い背景/画中画の自己言及性/『赤の食卓』(1908年)/画中画とし ての「窓」 第8講義 山の彼方の空遠く、抽象は始まる ドイツの飯は「不味い」か?/折々のことば/折々のかたち/「海」の 彼方の空遠く「抽象」は始まる? 第9講義 抽象とは何か、或いは「『牛』と建築モティーフ」 『牛』と建築モティーフ ―フランツ・マルクの後期作品に関する一試論 序/『牛』の空間/ドゥロネーの『窓』/マッケと『窓』/クレーと 『窓』/言い訳としての建築モティーフ/『牛』の構造分析/建築モテ ィーフの変遷/具象と抽象の葛藤/結 第10講義 具象の抵抗:或いは「たくらみとしての絵画」 たくらみとしての絵画 ―受容美学的観点から見たクレー作品に於ける具象的形象の機能 序/20世紀絵画の「存在論」/「額縁」は内か外か?/大きさの政治学 /タイトルの創造性/受容美学と多義性の「空所」/『たくらみ』の解 釈/「はげまし」としての空所/多義性の仕掛け/結 第11講義 新即物主義、或いは「抽象画家としてのラファエロ」ほか 「抽象画家」としてのラファエロ ―20年代リアリズムに於ける具象的形象を巡る批評環境 序/新しい自然主義??/表現主義CONTRA自然主義/「抽象画家」 ラファエロCONTRA「自然主義者」クレー/抽象としてのリアリズ ム 原初的形象へ(Zum Urbildlichen)! ―画家パウル・クレーの造形思考に於ける具象的形象の意味 序/具象と抽象/20年代リアリズムとクレー/「原初的形象へ」/結 第12講義 屈折する保守、或いは「画家パウル・クレーと同時代の音楽」 音楽評論家としてのパウル・クレー ブルックナー/マーラー/シェーンベルク/プフィッツナー/レーガー 画家パウル・クレーと同時代の音楽 序/ブゾーニ/ドラマ・ジョコーソ/E.T.A.ホフマンと受容美学/ 多義性/「音楽の単一性」と「新しい古典性」/ヒンデミート/時事オ ペラ『今日のニュース』/新即物主義と異化効果/創造原理としての対 世界的相対化 第13講義 不一致の一致と問テクスト性、或いは「パウル・クレーとシュルレアリスム」 「銀座の裸/着衣の入浴」の「創造性」 パウル・クレーとシュルレアリスム ―『シュルレアリスム革命』誌第3号に見るイメージ戦略 パウル・クレーとシュルレアリスム―前史/パウル・クレーとルイ・ア ラゴン/『シュルレアリスム革命』誌第3号におけるイメージ戦略/ア ルトーとクレー/「ヨーロッパとアジア」/ナヴィルの絵画観/シュル レアリスムのイメージ戦略/「不一致の一致」と間テクスト性 第14講義 深刻な遊戯、或いは「マックス・エルンストと受容美学」 マックス・エルンストと受容美学 はじめに―エルンスト研究の「現在」/マックス・エルンストとパウル ・クレー/エルンストに於ける「現実」の取り込み/エルンストと受容 美学 第15講義 「ニューヨークシティ・T』と『白地に白』、或いは抽象の展開 トリプル・スタンダード/『東京方眼圖』と抽象/『ニューヨークシテ ィ・T』(1942年)/空間性のテープ/格子/カジミール・マレーヴィ チ/『白地に白』(1917−18年)/抽象の蹉跌 第16講義 デュビュッフェ、或いは絵肌の「眼」触り 「B」氏の鬱屈/『庭で拾った小石の表面』/『無題』という題/ジャ ン・デュビュッフェ(1901−85)/『地下室言語X』(1958年)/もの としての絵画 第17講義 補講、或いはモダンアートの展開T アメリカと亡命者/抽象表現主義/ポロック『五尋の深み』(1947年) /ポロックとキュビスム/ロスコ『赤、白、茶』(1957年)/抽象表現 主義の宗教性/ニューマン/ラインハート/アルバース/抽象表現主義 の「美」/ポップアート/ラウシェンバーグ/ジョーンズ/リキテンス タイン/ウォーホル/ポップアートは『モナリザ』がお好き?/B級ホ ラーの真実/フォンタナ/ミニマル・アート/ジャッド、或いは絵画の 自己崩壊/「とびだす絵本」の完成 第18講義 補講、或いはモダンアートの展開U 語られるものの「不在」/コンセプチュアル・アート/デュシャン/レ ディメイド/『一つの、そして三つの椅子』/コンセプチュアル・アー トは「ことばにできない」か?/地球はカンヴァスだ!/デ・マリア/ スミッソン、或いはコンセプトの自律、或いはクォータースタンダード ?/クリスト、或いは包装された記憶、或いは路地裏の空き地/『ドラ ム缶の壁―鉄のカーテン』(1962年)/『ラッピングされたジャンヌ= クロードの肖像』(1963年)/『シカゴ近代美術館の包装』(1969年) /『ランニング・フェンス』(1972−76年)/『「ポン・ヌフ」の包装』 (1975−85年)/ボイス/キーファー、或いは絵画のリベンジ/『パル ジファル』(1973年)/『流出』(1984−86年)/「リリト、紅海を渡 る』(1991年) レポート課題 休講、或いはあとがきにかえて 収録図版一覧 |