書籍名 | 終わらない20世紀 |
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副題 | 東アジア政治史1894〜 |
シリーズ | HBB |
著者 |
石川捷治・ 平井一臣編 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 270頁 |
発行年月 | 2003年2月 |
定価 | 2,750円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02605-8 |
ジャンル | 政治学 HBB |
本の説明 | ヨーロッパ中心史観から自由になって、東アジアの20世紀を政治史分析を通じて問い直す。「世界戦争」「国家」「開発」の時代は、人にどのような生を強いたか、また人はどのような生を営んだかを検証する。解釈し、考える政治史をめざす。 |
目次 |
はじめに 序 東アジアの「長い二〇世紀」政治史 一 コロンブスの「新大陸発見」か「アメリカ到達」か工 ニ ヨーロッパ中心史観からの自由 三 東アジアと二〇世紀 四 東アジアの「長い二〇世紀」 五 東アジアの二〇世紀史と政治史 六 本書の構成 第T部 近代のパラドックス・抵抗と受容―1894〜1930年 1 近代国家日本の登場と東アジア国際秩序の再編 はじめに―東アジアの二〇世紀とは 一 近代化された日本の誕生、そして東アジアの近代化 近代化が作ったもの/近代化の理由/近代国家日本と東アジア世界 二 世界戦争・デモクラシー・社会主義―一九一〇年代から二〇年代へ 第一次世界大戦と東アジア/東西からの衝撃―アメリカとロシア/ 大正デモクラシー/中華民国の発足/欧米の理念、東アジアの現実 三 「国際協調」の時代?―一九二〇年代の東アジア世界 欧米新秩序の模索/ワシントン体制と東アジア―日本の場合/ ワシントン体制への異議申し立て―北伐/「国際協調」体制の弱点、経済 おわりに―次の章へ向けて コラム:初期アジア主義について考えること コラム:国境と領士紛争 2 東アジア国際秩序の変容と朝鮮―近代化の模索 はじめに 一 日清戦争以前の国際秩序とその変容 国際法体制と冊封体制/ 日清戦争後の国際秩序の変化―「帝国主義」時代の到来/ 支配の論理としての「文明」 二 近代化政策への着手と反発―日清戦争から日露戦争前まで 甲午農民戦争/朝鮮をめぐる日本とロシアの対立/ 朝鮮における近代化政策と反発/改革への反発と支持 三 日露戦争と朝鮮の保護国化 日露戦争と朝鮮の保護国化/国権回復のためのこころみ/ 保護国化が残したもの むすびにかえて 日本統治下の朝鮮/植民地支配への抵抗―三・一独立運動/ 民族解放運動の展開―社会主義思想の受容 コラム:宮崎滔夫―「文明」への批判者 第U部 「近代の超克」その夢と現実―1930〜50年 3 世界秩序の再編と日本―一九三一〜五○年 はじめに 一 謀略・実験・政治危機 植民地帝国日本/「満州国」/ファッショ化の進展 二 帝国の膨張とアジア 満州移民/アジアモンロー主義と帝国日本の膨張/アジア太平洋戦争 三 敗戦前後 ある兵士が見た沖縄/引きのばされた「終戦」/様々な八・一五 四 改革・封印・忘却 占領改革/戦争責任 おわりに コラム:スペイン戦争とアジア 4 冷戦と分断国家の形成、そして民主化―韓国における「解放」の現実 はじめに 一 解放と占領 解放直後の南朝鮮/分割占領の開始/モスクワ三国外相会議/ 信託統治案をめぐる対立/第一次米ソ共同委員会 二 分断国家樹立への道 左右合作運動/国連による総選挙案の決定/南朝鮮単独選挙への道 三 建国と朝鮮戦争 建国とその直後の状況/朝鮮戦争/戦時下の政治過程 四 独裁と民主化 独裁への過程/独裁対民主/政治弾圧の激化/民主化―四月革命 むすびにかえて コラム:多民族国家中国と民族自治 第V部 熱戦・休戦・冷戦―1950〜70年 5 東アジア冷戦のなかの日本―保革対立と高度成長 はじめに 一 東アジア冷戦の開始と日本 占領政策の転換/ドッジ=ラインとレッドパージ ニ 革新勢力の形成 再軍備の開始と「講和」「安保」の締結/総評の成立と社会党の分裂/ 日本の「独立」と東アジア/「逆コース」政策と革新勢力の形成 三 「五五年体制」の成立と安保闘争 「五五年体制」の成立/安保条約改定問題と安保闘争の展開 四 高度成長の開始と保革両陣営の変化 アメリカの対アジア新戦略と日本/高度経済成長の開始/ 保革の支持基盤の変容 五 保守支配の動揺―むすびにかえて ヴェトナム戦争と自民党政権/日韓条約問題/ ヴェトナム反戦運動と大学闘争/革新自治体の成立 コラム:九大米軍機墜落事件とヴェトナム戦争 6 東アジア冷戦と中華人民共和国―中国社会主義の模索 はじめに 一 中国革命と中華人民共和国 中国革命と二つの政治勢力/抗日ナショナリズムと中国革命/ 国共内戦/二つの政治勢力から二つの中国へ/中国統一をめぐって 二 朝鮮戦争と中華人民共和国 朝鮮戦争/中華人民共和国の参戦/「熱戦」の実態/ 抗美援朝運動の展開/国家体制の構築へ 三 東アジア冷戦としての中米対決 東アジア冷戦の構図/米中対決 四 中華人民共和国の模索 急速な社会主義経済の建設へ/独自の社会主義建設への模索/ 対外関係の模索/経済調整と国際関係の緊張化/文化大革命 おわりに コラム:映画『覇王別姫』(香港、一九九三年)にみる中国二〇世紀史 第W部 変容のなかの持続―1970年〜 7 「グローバル化」する資本主義と日本―迷走する政治と経済 はじめに 一 世界資本主義の転機と佐藤政権 沖縄の本土復帰/米中接近の衝撃/ドルショック/佐藤の退陣 二 田中角栄の登場と挫折 田中政権の発足/日中の国交回復/田中政権の国内政策/ 石油ショックと「狂乱物価」/田中の退陣とロッキード事件 三 「保革伯仲」状況と「無党派層」の台頭 「保革伯仲」状況の出現/日本型「利益政治」システムの肥大化/ 「減量経営」による不況の克服/福祉政策の後退と労働運動の衰退/ 野党陣営の変化/「無党派層」の台頭 四 中曽根政権と「戦後政治の総決算」 日本企業の多国籍化/新自由主義の台頭と中曽根政権の発足/ 「戦後政治の総決算」 五 「バブル景気」と政党政治の変容 プラザ合意と円高不況/「バブル景気」と「経済大国ナショナリズム」/ リクルート事件/「無党派層」の増大と政党政治/ 昭和天皇の死亡と「戦後補償」問題 六 世紀末の混迷―むすびにかえて 「冷戦終結」と経済「グローバル化」の急展開/ 「バブル崩壊」と日本の長期不況/国際秩序の変容と日米安保/ 政党システムの再編/新たな対抗軸の模索 コラム:「改革・開放」―中華人民共和国の新たな模索? 8 冷戦下の開発と民主化―韓国の経験 はじめに 一 開発反共体制の形成 朴正熙政権の成立/日韓国交正常化/ヴェトナム派兵と「特需」 二 体制の動揺と独裁の強化 国内の動揺/米中接近と南北対話/体制の再編・強化/ 民主化運動の高揚 三 挫折した民主化 朴正熙大統領の暗殺/「ソウルの春」と光州民主化運動の弾圧/ 新軍部政権の登場 四 民主化への道 民主化運動の復活/改憲をめぐる対立/ 民主化宣言と大統領直接選挙の実施 むすびにかえて コラム:転換期の韓国政治 ―「地域政党構造」から「政策政党構造」への期待をこめて 結 終わらない二〇世紀 一 日本と東アジアとの新しい出会い?―一九八九年以降の時期 日本の九〇年代/五つのレベルにおける構造転換 二 東アジアにおける「近代化」「民主主義」「社会主義」「ナショナリズム」 日本の「近代化」過程/「戦後民主主義の意義と限界/ 東アジアにおける社会主義とナショナリズム/日本外交の弱点 三 東アジアの歴史を創る主体者として 人間として、当事者として/歴史認識に関して コラム:日本および韓国における男女共同参画社会への取り組み 参考文献 あとがき 資料:東アジア国別年表/戦後日本における主要政党の変遷 索引 |