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書籍名 法社会学
シリーズ NJ叢書
著者 和田仁孝
判型 A5判
頁数 296頁
発行年月 2006年10月
定価 3,520円(税込)
ISBN ISBN4-589-02977-4
ジャンル 法哲学・法社会学・法制史 NJ叢書
本の説明 かつてない分岐を迎える現代法社会学。その錯綜した方法論と学問領域の多様性を「法と社会の構造理解」「実践的問題関心」「方法論的アプローチ」という3つの視点から的確にマッピングする知的刺激にみちた教科書。
目次  序章 現代法社会学の構図/和田仁孝
第1部 法と社会秩序
 第1章 現代的法機能と秩序/尾崎一郎
  T 社会秩序の法化―あるいは社会の依存
  U 法のサブシステム化―あるいは法の異形化
   1 自立化
   2 相対化
   3 複雑化
   4 疎外
  V 法の道具化と法への抵抗―あるいは社会の反逆
  W 法というフィクションへの投企
 第2章 言説的秩序と法/和田仁孝
  T 脱近代論法社会学の背景と生成
   1 現代的問題の生成と理論変容
   2 脱近代論の基本前提
   3 法社会学における展開
  U 法言説と法実践
   1 法言説と支配
   2 法実践の即興性―主体の再生
  V 法秩序をめぐる支配と抵抗
  W アクチュアルな問題への接近
 第3章 法化社会における法と権力/阿部昌樹
  T 法の政治化
   1 法の実定化
   2 コンフリクトの偏在
   3 法への権力
  U 統治しているのは誰か?
   1 コミュニティ権力構造(CPS)論争
   2 権力の可視性
  V 法への権力/法からの権力
   1 法への権力の存在形態とその作用
   2 法からの権力の所在とその作用
  W 法の増殖
   1 「法化」論
   2 法の増殖がもたらすもの
  X 現代日本法の分析に向けて
第2部 法主体と法意識
 第4章 法心理学からみた〈法意識〉/木下麻奈子
  T 〈法意識〉研究の流れ
   1 訴訟率と〈法意識〉研究の関係
   2 〈法意識〉の構造についての研究
  U 〈法意識〉研究の諸問題
   1 独立変数としての〈法意識〉=法文化
   2 従属変数としての法意識
   3 〈法意識〉の操作的定義
  V 新たなモデル構造―〈法意識〉を実証するためのモデル
   1 〈法意識〉の構造モデル
   2 訴訟行動と法意識の関係モデル
   3 まとめ
 第5章 日常的実践としての紛争・処理/西田英一
  T 紛争の法社会学
   1 制度志向の紛争研究
   2 紛争の生成研究へ
  U 日常的実践の凝視
   1 日常的実践
   2 状況的認知研究
  V 声という実践―接触から生まれる声
  W 実践研究から紛争処理実践へ
   1 視角としての実践研究
   2 処理機構から接触媒介へ
   3 媒介者としての弁護士
 第6章 法と主体/岡野八代
  はじめに―外的強制か/内面の構築か
  T 法の支配と自然法
   1 人の支配から法の支配へ
   2 自然法と自制の淘治
   3 法と階層的世界観
  U 近代自然法の世界における法と主体
   1 自由な個人の発見と自由の拘束としての法
   2 自立的主体の誕生と自然法による自由の囲い込み
  V 現代思想における法と主体
   1 意志の自由の至高性
   2 法の〈前〉の主体
第3部 法制度の機能と動態
 第7章 民事訴訟の機能変容/渡辺千原
  T 権利主張と裁判利用
   1 近代裁判と権利
   2 現代型訴訟の登場
  U 「現代型訴訟」の展開
   1 水俣病訴訟の展開
   2 水俣病訴訟の問題提起
  V 「現代型訴訟」の現在:医療過誤訴訟の増加と司法の対応
   1 現代型訴訟としての医療過誤訴訟
   2 医療過誤訴訟はかわったか
  W 民事訴訟のゆくえ
 第8章 現象学からみた刑事司法/佐藤直樹
  T 近代刑法学と主観/客観問題
  U フッサールの「方法的独我論」と主観/客観問題
  V 犯罪論における「コペルニクス的転回」
  W 犯罪論という「事実」は存在しない
  X 犯罪事実と「解釈的位相」
  Y 犯罪は言語としてのみ存在する
 第9章 弁護士の役割と展望/武士俣敦
  T 弁護士の役割をどうとらえるか?―理論的アプローチから
   1 機能主義
   2 相互作用論
   3 システム理論
   4 国際比較のアプローチ
  U 日本における弁護士役割論とその法社会学的論点
   1 4つの役割モデル
   2 法プロフェッショナリズムをめぐる理論的問題点
  V 制度改革の中の弁護士とプロフェッショナリズムの行方
   1 弁護士制度改革の理念と施策
   2 プロフェッショナリズムの行方
第4部 法実践のフロンティア
 第10章 ジェンダーと法/南野佳代
  T 分析概念としてのジェンダーと法
   1 フェミニズム運動の歴史的展開とジェンダー概念
   2 ジェンダー概念とジェンダー・バイアス
  U フェミニズム法理論の問題提起
   1 フェミニズム法理論の論点整理
   2 フェミニズム法理論の問題提起
   3 法学における問題提起―実定法を批判的に考えるために
 第11章 法と文化/久保秀雄
  T 「法と文化」の捉え方
   1 はじめに
   2 法社会学のアプローチ
   3 法と文化現象
   4 日常世界からの専門分化
  U 近代法の文化的特質
   1 合理化の世界史的考察
   2 法の専門家支配
   3 近代文化の悲劇的運命
   4 意味をめぐる闘争
  V 現代における「法と文化」への洞察
   1 異文化における近代経験
   2 法概念のイデオロギー作用
   3 近代法による文化変容
   4 「法の多元的利用」への考察に向けて
 第12章 ADRの生成/高橋裕
  T 「社会」を生み出すもの―行為と制度,調和と対立
  U ‘Alternative Dispute Resolution’
  V 日本における調停制度の導入(1)―川島武宜による重層的社会把握
   1 権利と権力
   2 裁定と調停
   3 調停の制度化
   4 川島武宜の社会理論的立場
  W 日本における調停制度の導入(2)―ジョン・O・ヘイリによる個人主義社会把握
   1 「訴訟嫌いという神話」における方法論的特色
   2 エリートによる政策判断としてのADR創出
  X 中間考察―日本におけるADRの生成の権力関係論的理解をめぐって
  Y 1990年以降のADRの叢生―集合主義的把握の試み
  Z おわりに
 

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