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書籍名 | 刑事事実認定の理想と現実 |
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著者 |
木谷明著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 252頁 |
発行年月 | 2009年8月 |
定価 | 3,740円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03178-5 |
ジャンル | 刑事法 司法制度・裁判実務 |
本の説明 |
近年相次いで明るみにでた冤罪事件。裁判員制度の下で、はたして冤罪は防ぐことができるのか。実務の観点から、刑事裁判の実情と適正化への方途を説得的に展開する。理想の裁判実現を願う元裁判官からのメッセージ。 |
目次 |
はしがき ■第T部 刑事事実認定のあり方 第一章 刑事事実認定の理想と現実 はじめに/刑事事実認定の理想/自白の信用 性に関する二つの考え方/対照的な二つの最 高裁判例/近時の下級審裁判例の憂慮すべき 一部の傾向―日野町事件に関する再審請求棄 却決定/今後実務が進むべき方向/おわりに ―裁判員制度との関連について 第二章 刑事事実認定の基本的あり方 緒論/刑事裁判における基本的視点はどうあ るべきか/冤罪の発生を最小限にとどめるた めに、どのような具体的方策を考えるべきか /結語 第三章 不意打ち認定と訴因 ―昭和63年判例への疑問 はじめに/不意打ち認定が許されない理由/ 〔第1判例〕の概要/〔第1判例〕の検討/ おわりに 第四章 自白の任意性判断などに関する提言 ―平成12年の二つの裁判例を題材として はじめに/東京決定について/自白の任意性 判断の前提となる事実認定のあるべき手法/ 宇和島判決について/裁判官に対する提言― 裁判員制度の発足を控えて ■第U部 取調べの可視化と捜査・弁護のあり方 第五章 取調べの可視化について 「取調べの可視化問題」と私との接点/問題意 識を変えさせた事件との出会い/可視化反対 論の真実の理由/志布志事件について/可視 化が実現した後に残る問題 第六章 鹿児島選挙違反事件(志布志事件)にみる 密室取調べの弊害 鹿児島選挙違反事件(志布志事件)とは/事件 の概要と問題点の所在/問題解決の方向性/ 刑事司法の健全化へ向けての期待 第七章 隘路の中の刑事弁護 ―現状を打開する方策はあるか はじめに/わが国の刑事司法が抱える問題点 /隘路の中の刑事弁護/弁護人として最低限 心がけてほしいこと/弁護人の執念が実って 控訴審で無罪判決が出された事例―パキスタ ン人の公務執行妨害事件/下村忠利弁護士作 成の「刑事弁護語録」について/「N事件」から 学ぶべきこと―弁護人の責務/おわりに―刑 事弁護のやり甲斐と求められる弁護人の資質 ■第V部 裁判官のあり方 第八章 証人尋問と裁判官の役割 ―聞き手としての裁判官と供述の引き出 し役としての裁判官 はじめに―証人尋問における裁判官の二つの 役割/「聞き手」としての裁判官の役割/「供 述の引き出し役」としての裁判官の役割/ま とめ 第九章 求められる裁判官の資質などについて はじめに/わが国の刑事裁判システムの特色 と刑事裁判官に求められる心構え/「刑事裁 判官として必要ないし好ましい資質」と「好ま しくない資質」/刑事裁判が好きになったい きさつ/具体的事例から裁判官の資質を問う ―調布駅南口事件を題材に 第十章 裁判員裁判における裁判長の訴訟指揮は いかにあるべきか はじめに/裁判長の訴訟指揮等に関する一般 的な問題/具体的訴訟指揮について―見直し を迫られる実務・判例/おわりに 《補論》足利事件について あとがき |