書籍紹介

書籍名 世紀の転換と社会学
著者 井上純一林弥富編著
判型 A5判
頁数 240頁
発行年月 2000年7月
定価 3,190円(税込)
ISBN ISBN4-589-02446-2
本の説明 「転換期」とそれ以降の社会状況を分析・解明し、21世紀社会形成の条件と社会学の方向をさぐる。「人間の解放」と「共生」を基調に画一・世界化と個性・分散化する現代社会を多面的に考察し、新たなアイデンティティの創造を説く。

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目次 はしがき
序章 国際社会と社会学
 1 世界はいつからグローバルになったか
     グローバル社会時代の登場/グローバル意識の登場/
     国民国家とグローバルな意識
 2 社会学と近代化
     社会学の巨匠とグローバリズム/20世紀社会学の限界
 3 社会現象の国境越え
     国民国家の枠組みに入らない社会現象の発生/
     日常生活に浸透するグローバル化/
     インターナショナルからトランスナショナルへ/統合・普遍化の拡大
 4 20世紀的秩序の崩壊
     冷戦構造の崩壊後の新しい状況/分離・多様性の主張の広がり
 5 近代性とグローバル化
     統合と分離、普遍性と多様性/時空間の短縮/普遍化としての西欧的理念
 6 グローカル社会学への課題―統合と分離の相反を超えて
第1章 崩壊する日本、再生する日本
 1 崩壊する日本社会
     「豊かさ」への道/日本的システムヘの自信/日本的システムの落日
 2 日本型産業社会の「神話」の現実
     開発神話の失敗/追いつき型を崩すグローバリゼーション/
     日本農業の悲劇/日本型産業システムヘの衝撃/勤労者受難の時代/
     責任倫理なきエリート/プロフェッショナル集団の待望
 3 日本型消費社会の「神話」の現実
     消費社会は欲望を生産/「差異」という名の個性/「虚」の世界の成立/
     消費社会の影に隠されて
 4 日本型情報社会の「神話」の現実
     現実化した情報社会/パーソナル・コミュニケーションの拡大/
     電子メディアが生む反社会性/電子メディアの民主主義的統制は可能か?
 5 日本はどんな社会へ?
     国際型への移行は必要/克服されるべき2つの課題
第2章 情報化社会における社会的現実の変貌
      ―A.シュッツの社会理論からみた情報化社会―
 はじめに
     消費社会の誕生/消費社会と情報化社会/
     情報化社会の成立と社会的現実の構成
 1 社会的現実とその構成
     社会的現実の主観性と社会性/ウェーバーの「理解社会学」とその問題点/
     A.シュッツの現象学的社会理論
 2 A.シュッツの社会関係論と社会的世界論
     社会的ウムヴェルトと社会的ミットヴェルト/ウムヴェルト的社会関係/
     ミットヴェルト的社会関係/ミットメンシュとネーベンメンシュ
 3 情報化社会の成立と社会的ミットヴェルトの変容
     メディアとは/メディアとしての声・話し言葉/文字・活字メディア/
     電気(電子)メディア/メディアの発達とミットヴェルトの拡大/
     電気メディアによって再生されたウムヴェルト的現実の限界
 4 情報化社会における社会的現実の変容
     社会的ウムヴェルトヘの電気メディアの浸透/
     電気メディアによって複製・再生されたミットヴェルト的現実の恣意性/
     電気メディアによって創出されたミットヴェルト的現実の魅力/
     ウムヴェルト的現実とミットヴェルト的現実のボーダーレス化/
     ウムヴェルト的現実とミットヴェルト的現実の軋轢/
     ウムヴェルト的現実への適応不全
 おわりに
     社会的ミットヴェルトの基点としての社会的ウムヴェルト/
     ボーダーレス化された現実観とその異化/
     現代社会におけるミットヴェルト的現実の重要性/
     情報化社会における人間の存在状況
第3章 家族という関係性
 はじめに―家族の時代
 1 家族はどんな関係として存在しているか
     家族の勝利/情緒的共同体としての家族/「家族の自然さ」の崩壊/
     「家族関係の危機」という関心
 2 物語家族と心の傷
     セラピーの文化と自己への関心/ナルシシズムの文化と自己聖化の儀式/
     強迫観念が生まれやすい社会/
     関係に溺れる―生活の仕方としてのアディクション/
     共依存とロマンティック・ラブ
 3 家族病理とは何か
     ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)/夫婦間暴力/
     シルバー・ハラスメントと児童虐待
 4 新しい家族のライフデザイン―家族政策のあり方
     制度としての家族/新しい家族政策の視点
 おわりに
第4章 現代の地域社会―都市と農山村の動態と危機―
 はじめに
 1 地域社会―都市と農村
     地域社会の歴史的展開/多面的・重層的な圏域・範囲/
     地域社会の基礎―構造―過程・関係/地域社会の規定・変動要因
 2 農村社会の動態と危機
     近代日本の農村の動態/
     第二次世界大戦後の農村の動態―農地改革と戦後自作農/
     高度成長以降の農村―家計の向上と農業・農村の危機/
     現代の農村・農業の問題
 3 日本の都市社会の動態と危機
     都市とは/日本の都市化の特徴/都市的基礎と構造の危機/
     現代都市の人間関係の危機―私事化・個人化、無関心化、受益化・享受化
 おわりに
第5章 企業社会と「人間存在」
 1 企業社会の現局面
     リストラの進行/企業社会の方向/規制緩和の1つの教訓
 2 日本的経営と「会社人間」の形成
     経営組織の特質/会社本位の姿/会社人間の形成・特徴
 3 トータルな「人間存在」への課題
     日本的経営と脱会社人間/「人間的富」の豊かさ/労働時間と基本的人権
第6章 コミュニケーション論―メディアの力と現代文化―
 はじめに
 1 メディアの力とその経験
     コミュニケーションの風景/「効果研究」と「文化・文明批評」
 2 メディア/アイデンティティ/社会
     「場所の無意味」/ローカルなものと「一般化された他の場所」/
     場所の意味への問いとコミュニケーションの多様性
 3 社会的コミュニケーションの多様性を捉えるために
     社会的コミュニケーションとその区分/コミュニケーションの諸モデル
第7章 21世紀と新社会形成の条件
 1 社会変動論の「修正」
     「土建国家」の構造から/「多元主義的インダストリアリズム」の修正/
     「人間開発」の視覚
 2 「ポストモダニティ」論争とアイデンティティの確立
     「ポストモダニティ」の論争から/アイデンティティの確立
 3 共生への諸契機
     共生の試み/アソシエーション論再考
参照文献
索引
 

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