書籍紹介

書籍名 ベーシック憲法入門〔第2版〕
副題 いま世界のなかの日本国憲法は
著者 山下健次畑中和夫
判型 四六判
頁数 346頁
発行年月 2002年4月
定価 3,080円(税込)
ISBN ISBN4-589-02570-1
本の説明 激変する国際社会の中で日本の憲法を軸にした「国際協力」はいかにあるべきか。平和憲法を生かし、民主的な現状回復をめざす視角から解説した入門書。最近の改憲への動向をも視野に入れながら憲法全体の基本を平易に説く。

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目次  第二版はしがき
 はしがき
第1講 国際社会と日本の憲法
    ―いま、世界のなかで日本国憲法は
 1 「国際貢献」と日本国憲法
  自衛隊による「国際貢献」論の浮上
  国際社会における日本のアイデンティティ
 2 世界史のなかの日本の憲法
  世界史のなかの明治憲法
  歴史的・国際的水準からみた日本国憲法
 3 日本国憲法の平和主義
  国際的水準をこえる平和主義
  憲法九条と日本の再軍備
  憲法九条をめぐる裁判
  新しい国際環境のなかでの平和主義原則
  憲法の平和主義原則と国連
  憲法の平和主義原則と安保条約
第2講 人権保障の歴史的展開
 1 人権観念の誕生と近代の人権宣言
  自由と平等への基本的要求
  マグナ・カルタから権利章典へ
  近代自然法思想と人権観念
  近代の人権宣言
  外見的立憲主義憲法の権利宣言
 2 現代的人権への歩み
  生存権・社会権の登場
  社会構造の変化と新しい人権
 3 裁判的保障の発展
  憲法裁判制度の導入
 4 人権保障の国際化
  世界人権宣言から国際人権規約へ
第3講 人権保障の基礎構造
 1 個人尊重の新しい位相
  幸福追求権の意義と法的性格
  一三条に含まれる具体的人権
  自己決定権
  環境権は個人・国境・世代をこえる
 2 平等原則の発展
  人権発展のバネとしての平等
  形式的平等と実質的平等
  日本国憲法の平等規定
  法の内容の平等と差別禁止事由
  合理的区別と不合理な差別
  親殺し重罰規定の削除
 3 法人と人権規定の私人間の効力
  法人の権利は人権か
  法人の権利と自然人の人権の衝突
  三菱樹脂事件
  私人間の効力と法人「からの」自由
 4 国際化時代の外国人の人権
  人権の性質による区別
  外国人労動者の問題
 5 公共の福祉と国民の義務・責任
  公共の福祉は人権の限界か
  人権制約の具体的基準
  国民の義務
第4講 思想・良心、信教の自由
    ―その今日的意味とは―
 1 思想・良心の自由
  いま思想・良心の自由は
  コンフォーミズムと個人の思想・良心
  企業社会へのコンフォーミズム
 2 信教の自由と政教分離
  いま信教の自由は
  信教の自由と政教分離の関係
 3 政教分離原則―その違反の有無を判定するための基準
  目的効果基準その二つの適用
  最高裁の目的効果基準に対する批判的見解
第5講 表現の自由と「知る権利」
    ―なぜ表現の自由は「優越的地位」をもつか―
 1 表現の自由と「知る権利」の問題状況
  公権力による規制と社会的圧力
  情報技術の進展と新しい問題状況
 2 表現の自由の「優越的地位」論とダブルスタンダード
  表現の自由の「優越的地位」の理論の意味
  「優越的地位」論と利益衡量論
  ダブルスタンダードによる厳格な基準
 3 「知る権利」と情報公開法
  なぜ「知る権利」なのか
  「知る権利」の構造
  「知る権利」と情報公開法
 4 報道の自由と個人のプライバシー
  「知る権利」に奉仕する報道の自由
  報道の自由と名誉、プライバシーとの関係
  集団行動の自由とパブリック・フォーラム論
  公安条例に対する憲法判断
  破壊活動防止法等の今日的問題
第6講 学問の自由と教育を受ける権利
    ―ひとりひとりの学ぶ権利―
 1 学問と教育の意義
 2 学問の自由の歴史
  学問の自由の源流
  学問の不自由の時代
 3 学問の自由の構成
  古典的理解
  現代的理解
 4 学問の自由の課題
  学問の定義のゆらぎ
  研究の自由
  発表の自由
  教授の自由と教育の自由
  大学の自治と学校の自治
 5 教育を受ける権利と義務教育
  教育を受ける権利の性質
  教育の機会均等
  無償の義務教育
第7講 経済的自由
  ―目指したものの光と影―
 1 人間の自律・自立と経済的自由
  近代憲法と経済的自由
  現代憲法と経済的自由
  規制緩和と国民生活
 2 居住・移転の自由
 3 外国移住・国籍離脱の自由
 4 職業選択の自由・営業の自由
  職業選択の自由・営業の自由
  職業選択の自由・営業の自由の制限
 5 財産権
  財産権保障の意味
  財産権の制限
  財産価値の補償と生活補償
第8講 生存権、権利としての社会保障
    ―人間らしい生存とは―
 1 人間らしい生存を求めて
  生存権の保障
  プログラム規定説
  朝日訴訟
  抽象的権利説と具体的権利説
 2 社会福祉を受ける権利
  社会保障制度の整備
  堀木訴訟の提起
  救貧施策と防貧施策の区別
  最高裁判決の立法裁量論
 3 生活保護と自己決定
  「豊かな社会」の中で
  加藤訴訟の問いかけ
  人間らしい生活の保障
第9講 勤労の権利と労働基本権
    ―なんのための労働基本権か―
 1 人間らしい労働のために
  労働に関する人権の保障
  勤労の権利の意味
  人間らしい労働条件
 2 労働基本権の保障と制限
  労働基本権の意義
  労働基本権の内容
  労働基本権の制限
 3 スト権と労働の自由
  刑事罰からの解放
  全面的合憲論への復帰
  自由としての労働基本権
 4 再び、人間らしい労働のために
  会社主義社会
  労働時間法制の特色
  労働組合の役割
第10講 適正手続の保障
    ―「デュー・プロセス・オブ・ロー」の現代的展開―
 1 手続的保障の意義とひろがり
  ルーツは一三世紀に
  適正な「法律の定める手続」
  罪刑法定主義
 2 裁判を受ける権利
  裁判を受ける権利
 3 人身の自由と刑事手続の保障
  奴隷的拘束・苦役からの自由
  被疑者の権利
  刑事被告人の権利
  刑事補償
 4 適正手続の保障と行政手続
  行政上の適正手続
第11講 国家補償の権利
    ―財産の補償から生命の補償まで―
 1 賠償と補償
  広義の国家補償
  国家賠償の権利の発展
  憲法一七条と国家賠償法
  「賠償と補償の谷間」の問題
 2 刑事補償
  刑事補償の意味
  刑事補償法と被疑者補償規程
第12講 国民主権と天皇制
 1 国民主権と国民代表
   ―王様も国民代表? 人民からの独立宣言
  君主権を否定したが
  「民主主義」はまちがい?ナシオンとプープル
 2 国民主権の現代的意味―人民主権
  一人ひとりが主権者
  二〇世紀の君主制ををふりかえる
 3 神権天皇制から象徴天皇制へ
  「万世一系ノ大皇之ヲ統治ス」
  元首から象徴へ―だれが統合するのか?
 4 国事行為と公的行為
  天皇の「公務」とは―一二の国事行為
  「内閣の助言と承認」の意味
  皇室の公式行事―代替わり儀式の検証
第13講 政治参加の権利
 1 政治参加のひろがり
  参政権の歴史的拡大
  政治参加に関する憲法規定
  憲法と直接民主制
 2 公務員の選定・罷免権、公務就任権
  公務員の選定・罷免権
  選挙権の法的性格
  公務就任権
 3 国民代表と選挙権・選挙制度
  選挙の基本原則
  議員定数不均衡問題
  選挙区制・代表方法
第14講 国家の組織と権力分立
 1 権力分立論の成立と展開
  組織原理としての権力分立
  ジョン・ロックの二権分立論
  モンテスキューの三権分立論
  権力分立論の中立的性格
  権力分立制の成立
  大統領制と議院内閣制
 2 権力分立の否定と会議制
  ルソーの権力分立論批判
  憲法制定権力と権力分立
  権力統合制=会議制
  旧ソ連・中国の権力統合制
 3 日本における権力分立
  明治憲法と三権分立
  日本国憲法と三権分立
  国会と内閣
  国会と裁判所
  内閣と裁判所
  権力分立制の現代的課題
第15講 憲法と政党
 1 政党の役割と法的規定
  政党とは何か
  政党の法的規定
 2 政党国家とは何か
  トリーペルの発展段階説
  トリーペル理論の評価
  ライプホルツの政党国家論
  ヘッセの政党の地位論
 3 政党助成と憲法
  政党助成は民主主義のコストか
  政党の国家への従属
  日本の政党助成の問題点
第16講 国会
    ―「最高機関」は飾りコトバか―
 1 「最高機関」の意味するところ
  最高機関の意味
  国民の代表機関
  国会だけが立法できる
 2 両院制(二院制)のメリット
  両院制の類型および両院の関係
  第二院の存在意義
 3 国会および各議院の権能
  国会の権能
  議院の自律権
  国政調査権
  議員のその他の権限
 4 議員の地位と権限
  議員の地位と権限
  議員の特権
 5 国会の活動
  会期
  会議の原則
  委員会制度―委員会中心の活動
第17講 議院内閣制
    ―内閣の職務と連帯責任―
  序説
 1 内閣の地位と行政権
  行政権の内閣帰属
  議院内閣制
 2 内閣の組織と総理大臣
  内閣組織の改編
  大臣資格としての文民
 3 内閣の自律性と内閣総辞職
  閣議決定
  内閣総辞職
 4 内閣の具体的権能
  七三条の職権事項
  衆議院解散権
 5 内閣の連帯責任
  責任の対象範囲
  責任の意味内容
第18講 法の支配と司法権の独立
    ―司法の実質的意味と裁判の独立―
 1 法の支配と司法権
  「法の支配」の原則
  法治国原理
  日本国憲法と法の支配
  法の支配と司法権のあり方
 2 司法権の独立
  司法と行政
  法令審査権
  司法権の独立
  裁判官の地位と身分保障
  弾劾裁判所
 3 裁判所の構成と権限
  最高裁判所
  下級裁判所
  審級制
  陪審制の問題
第19講 地方自治
    ―地方自治の保障と「地方分権」の現況―
 1 地方自治の憲法による保障
  地方自治とは何か
  日本国憲法第八章の意義
  「地方自治の本旨」の意味と地方自治保障の性格
 2 「地方分権」施策の問題点と地方自治実現の課題
  「地方分権」施策が地方自治にもたらすもの
  中央・地方双方の民主化の統一的関係
  地方自治実現のための課題
第20講 憲法保障と憲法裁判
    ―憲法保障の内容と違憲審査制―
 1 憲法の保障
  憲法の保障の意義と諸形態
  違憲審査制
 2 わが国における違憲審査制の性格
  司法裁判所型か折衷型か
  付随的違憲審査制の憲法保障機能
 3 違憲審査権の運用状況
  最高裁判決の展開
  司法積極主義・消極主義
  憲法保障機能の十分な発揮に向けて
第21講 憲法改正と憲法の変遷
 1 憲法の存在意義から憲法改正の意義と限界を考える
  憲法の存在意義
  この国のかたち
  憲法改正の意義
  憲法改正の限界
  前向きの憲法改正と支える力
  プライバシーの権利や環境権、知る権利について
 2 憲法の変遷
  規範と現実とのずれ
  憲法におけるずれの特殊性
 3 ドイツとの比較
  二つの硬性憲法
  改憲と廃憲
資料
 日本国憲法
 大日本帝国憲法
 

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