書籍名 | 歴史の壁を超えて |
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副題 | 和解と共生の平和学 |
シリーズ | グローバル時代の平和学第3巻 |
著者 |
内海愛子・ 山脇啓造編 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 324頁 |
発行年月 | 2004年7月 |
定価 | 2,750円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02762-3 |
ジャンル | 平和学 |
本の説明 | 戦争や植民地支配をめぐる記憶や責任について、いま論争が続いている。またグローバル化の中で、共生社会の形成は緊要の課題となっている。第3巻は、民族と個人の歴史的な対立や悲劇を超えていくための条件を探る。 |
目次 |
〈グローバル時代の平和学〉刊行の辞 刊行に寄せて 序論 歴史と平和―戦争責任から平和責任へ/藤原修 第T部 歴史認識問題をめぐる国際政治的・世界史的文脈 第1章 戦後日本の対外政策と歴史認識―非極の視座から問い直す/進藤榮一 1 はじめに 2 序論―日露戦争をどう見るか 3 吉田外交再評価について―非極の視座に立つこと 4 バンドン会議を再考する―いま歴史認識とは何か 5 朝鮮半島問題をどう見るか―冷戦起源論を再考する 6 むすびに―未発の可能性を求めて 第2章 帝国主義と脱植民地化―人種主義と多文化主義/荒井信一 1 脱植民地化を見る視点―「帝国の二日酔い」 2 ダーバン会議以降―ひとつの人間家族 3 人種主義から多文化主義へ―カナダの事例 4 脱植民地化と「過去の清算」―日本と朝鮮 5 むすび 第U部 記憶・責任・和解 第3章 戦争の記憶―植民地をめぐるオランダ展示からわかること/中尾和代 1 はじめに 2 「戦争の記憶」の継承とパブリック化 3 戦争展示における「戦争の記憶」をめぐる戦い 4 オランダ「戦争の記憶」展示 5 「戦争展」反対運動の〈草の根?〉的展開 6 解決に向けて 7 むすび 第4章 戦争犯罪―日本は何を裁かれたのか/内海愛子 1 連合国の危機感 2 責任は誰にあるのか 3 議会が「戦争責任」を決議 第5章 性暴力を裁く―「女性国際戦犯法廷」の意義/大越愛子 1 はじめに 2 サバイバーの告発 3 ジェンダー正義 4 新たな「民衆法廷」の思想 5 無答責の論理の解体 6 さらなる展望へ 第6章 和解と正義―南アフリカ「真実和解委員会」を超えて/永原陽子 1 はじめに 2 南アフリカにおける「移行期の正義」―TRCの成立 3 TRCは何をしたのか 4 TRCは何をしなかったのか 5 結び―TRCからダーバンへ 第7章 済州四・三事件から見た大量虐殺事件の清算と和解/徐勝 ―「済州四・三事件真相調査報告書」を手がかりとして 1 済州四・三事件に対する大統領のおわび 2 「済州四・三事件真相報告書」 3 「四・三特別法」の違憲審判をめぐって 4 犠牲者の選定基準―排除規定をめぐって 5 四・三事件軍法裁判の不法性と受刑者の権利回復 6 「報告書」に対する批判、「四・三特別法」の過去清算法としての欠点 7 結びに代えて―済州四・三事件の被害からの原状回復の論理とダイナミズム 第V部 共生の未来に向けて 第8章 現代日本における地方自治体の外国人施策/山脇啓造 ―人権・国際化・多文化共生 1 はじめに 2 外国人受け入れの歴史的推移 3 地方自治体による外国人施策の体系化 4 今後の課題 第9章 フランスにおける移民新世代結社と〈新しい市民権〉/浪岡新太郎 ―リヨン郊外マンゲット地区 新世代ムスリム結社UJMの経験から 1 問題のありか 2 ムスリム若者連合 3 UJMの活動家 4 UJMのイスラーム、「統合」、「市民」 第10章 要塞の中の多民族共生/多文化主義/阿部浩己 ―なぜ「過去」を眼差さなければならないのか 1 豊かさの暴力 2 非EUの創出 3 定住外国人の処遇 4 過去を眼差すこと 執筆者紹介 |