書籍名 | 現代政治のパースペクティブ |
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副題 | 欧州の経験に学ぶ |
著者 |
畑山敏夫・ 丸山仁編著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 240頁 |
発行年月 | 2004年10月 |
定価 | 2,970円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02778-X |
ジャンル | 政治学 |
本の説明 | 戦後社会が突きつける課題に挑戦し、新しい政治の方向性を切り開いてきた欧州政治を素材に、政治学の可能性を探る。福祉国家や民主主義、脱産業主義の政治などをテーマに複雑な政治の力学を整理し、21世紀のオルタナティブを示す。 |
目次 |
はじめに 第T部 改革の時代を重ねて 第1章 福祉国家は終わったのか―社会福祉と政治の関係を問い直す 1 福祉国家をめぐる問題状況 福祉国家の基本構造 福祉国家批判と構造的諸問題 2 福祉国家の類型論とその意義 福祉国家の類型 類型論と収斂論 3 福祉国家再編をめぐる論点 4 社会民主主義レジームとしてのスウェーデン 社会保障の発達と社会民主党のイニシアティブ スウェーデン福祉国家の動向 福祉国家の再編をめぐる政治的対抗 5 福祉国家の今後 普遍主義的福祉国家の持続力 社会福祉と政治 むすびにかえて 第2章 サッチャー以後のイギリス・ネオ・リベラル改革の実相 ―イデオロギーとしてのネオ・リベラル改革から、道具としての競争政策の実験へ はじめに 1 ネオ・リベラル改革に対する若干の定義 2 サッチャー改革はイギリス産業を復活させたか 3 公的分野へのネオ・リベラル的手法の導入―医療改革に関わって 4 イデオロギーから道具への転換 まとめ 第3章 国会と参加―イギリス国会の現状と課題 1 国会の現状 国民は「しらけて」いる ウェストミンスター・モデルとは何か コンセンサス・モデルの導入 二党制は続くのか 政党は信用できない マニフェスト 2 参加 政治参加意欲の拡大 国会に討論を 行政の審査を 公平な代表を 国民・住民投票を 3 責任ある市民―むすびにかえて 第U部 グローバル化時代のなかで 第4章 グローバリゼーションとグローバル市民社会論 ―1968年パリ、1989年東欧、1999年シアトル はじめに 1 従来の国際関係学はグローバルな市民社会の出現をどこまで説明できるか 伝統的な国際関係論言説 コンストラクティビズムとリフレクティビズム 2 西欧における1968年5月のインパクトとグローバルな新しい社会運動の登場 1968年5月革命 新しい社会運動の出現 3 東ヨーロッパ1989年と主流派国際関係学 東欧における1989年革命の国際関係学的意味 「新しいアイデア」 1968年と1989年 4 グローバリゼーション/反グローバリゼーション 新自由主義政治経済思想と1999年 ATTACと世界社会フォーラム 5 グローバル市民社会論 国際社会学とグローバル市民論 ポスト構造主義とネオ・グラムシアン 6 批判的社会運動論とポストモダン・プリンス論 批判的社会運動と反グローバリゼーション ポストモダン・プリンス論 おわりに 第5章 もうひとつの対抗グローバリズム―国民国家からのグローバル化への反攻 はじめに 1 グローバリズムという新しいクリーヴィッジと政党システムの変容 グローバル化と国民国家の危機 国民主権の争点化と主権主義勢力の台頭 2 国民国家からの対抗グローバリズム―共和制国家からの反攻 グローバル化の危機と国民国家からの対抗グローバリズム 2つのナショナリズムに依拠した対抗グローバリズム おわりに 第6章 グローバル化と社会民主主義の変容―イギリス労働党の事例から はじめに 1 グローバル化と社会民主主義 2 ブレア労働党政府の諸政策 文脈 政策―連続性と断絶性 3 「社会民主主義」の生命力? おわりに 第V部 21世紀のオルタナティブ 第7章 民主主義の新しい可能性―熟議民主主義の多元的深化に向かって はじめに 1 なぜ、民主主義が不可避なのか 「非国家主義的民主主義」への注目 なぜ、非国家主義的民主主義が必要なのか 「理由なき殺人」と「脱社会的存在」 2 いかなる民主主義か(1)―アソシエーティブ・デモクラシー アソシエーティブ・デモクラシー アソシエーティブ・デモクラシーへの批判 アソシエーティブ・デモクラシーを超えて 3 いかなる民主主義か(2)―熟議民主主義 熟議民主主義とは何か なぜ、熟議民主主義なのか 4 熟議民主主義の多元的深化(1)―「制度化」の方向 なぜ、「制度化」が重要なのか 「選好の変容」の促進 熟議民主主義と意思決定:あるいは熟議の場をどこに求めるのか 具体像の提供 5 熟議民主主義の多元的深化(2)―「非制度化」の方向 「非制度化」の必要性 回答(1):親密圏における問題解決 回答(2):「脱社会的存在」との共通基盤の形成 6 なぜ、人びとは「公的」であることができるのか 熟議民主主義の多元的深化への疑問 個人像の再考:公/私二元論的個人へ 言語の意義:「なぜ『公的』か」の「社会的」根拠 「脱社会的存在」の包摂という難問 「全体論的個人主義」へ おわりに 第8章 ジェンダーと政治―男の政治を変える 1 本章の課題と構成 2 女性の過少代表 女性の過少代表 女性が政治家になりにくい理由 家庭責任と議員活動 3 女性議員増と政策・政治の変化 女性は変化をもたらすか 女性議員と政策への関心 政治スタイルの変化 4 ジェンダー平等政策 ジェンダー平等政策とは 雇用における男女格差の是正 “女性”イシューを超えて 男性への働きかけ ケアの価値 政党の対応 女性運動の戦略 何が「政治」かをめぐる政治 5 男の政治は変わるか 女性議員を増やす制度 男の政治を変える 有権者としての女性 欧州議会と統一ヨーロッパにおける「女性と政治」の展望 第9章 環境政治の新世紀へ―グリーン・ポリティクスの方へ 1 リスクとチャンス 2 リスク社会と民主主義 自省的近代化とリスク社会 専門家支配の危険性 リスク社会論を超えて 3 環境政治と民主主義 環境的公正論の意味するもの 民主主義は環境問題を解決できるのか 熟議と選好の変容 選好変容のもう一つの回路? 4 スロー・ポリティクスの可能性 スローライフ運動の可能性 ファストな社会における熟議? 第3の潮流が世界を変える? 5 グリーン・ポリティクスの方へ おわりに |