書籍紹介

書籍名 戦後日本社会福祉論争
著者 真田是
判型 四六判
頁数 328頁
発行年月 2005年6月
定価 3,190円(税込)
ISBN ISBN4-589-02842-5
本の説明 戦後から1970年代までの社会福祉の本質をめぐる論争を、実践的なかかわりのなかで整理した1979年刊行の書の復刻本。現実の課題解決のために必要な理論の重要性を説き、現実と理論の間に乖離がみられる現在の状況に、今なお多くの視点を与える。

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目次
1 社会福祉本質論争/松田真一
 はじめに
 1 問題の限定と視角
    問題の限定
    論争の構成
    時代背景
    基本的視角
    方法的視角
 2 第一期―「本質論の展開」の整理・検討
  一 主観的論点
    岡村氏の分類枠組
    外在的立場のエッセンス
    内在的立場のエッセンス
    主観的論点
  二 客観的論点
    検討課題
    外在的立場
    対象規定と時代背景との関連
    孝橋氏の対象規定
    客観的論点
    内在的立場
    客観的論点
 3 第二期―「社会福祉事業本質論争」の整理・検討
  一 検討課題
    第二期の主観的論点
    第二期の客観的論点
    仮説
  二 主観的論点
   1 孝橋理論の原理
   2 原理的批判―本質論争の場合
    田村氏の批判と教訓
   3 原理的批判―本質論争以外の場合
    与田氏の批判と教訓
   4 原理的批判―基準の問題性
    孝橋氏の基準
    論理の矛盾
    論理と現実との矛盾
  三 客観的論点
   社会政策と社会事業との関係の変質
   経済と他領域との関係の変質―生活
   生活の多様性―領域と主体
   外在的立場・孝橋氏の生活―領域
   内在的立場・岡村氏の生活―主体
   客観的論争と時代背景
 4 本質論争と現代社会福祉理論の課題
2 生活保護制度とサービス論争/河合幸尾
 はじめに
 1 サービス論争の背景
    新生活保護法成立の要因
    社会保障制度審議会における審議
    厚生省生活保護法案
 2 サービス論争の内容
    生活保護における「サービス不可欠論」―黒木氏の問題提起
    木田氏の「車の両輪論」
    池川氏の「余分の働き論」と大原氏の「サービス限定論」
    岡村氏の「現実直視論」
    小川氏の「権利を守るためのサービス論」
    田中氏の「『開明的』サービス論」
 3 サービス論争における争点
    サービス論争の位置と今日的課題
3 仲村・岸論争/加藤薗子
 1 問題の所在
 2 仲村・岸論争の特徴と論点
    論争の契機と社会的背景
    論争の経過と主要な論点
    仲村説の基本的論点
    岸氏の基本的論点
    仲村・岸説の特徴と問題
 3 仲村・岸論争の意義と今日的課題
    論争の意義と評価
    「政策と技術」の相互規定性
    公的扶助とケースワーク
4 医療社会事業論争/真田是
 1 論争の位置
    はじめに
    戦後社会福祉論争での位置
    医療社会事業論争の時期
 2 論争での論点
    「社会科学的」ということ
    実践をめぐって
    「政策論」とケースワーク
 3 おわりに
5 孝橋・嶋田論争/井岡勉
 1 孝橋・嶋田論争の位置と意義
 2 論争の経過と内容(その一)
    嶋田『転換期の社会福祉理論』による孝橋理論批判
    孝橋『全訂社会事業の基本問題』による嶋田批判
 3 論争の経過と内容(その二)
    孝橋『社会科学と社会事業』による嶋田理論批判
    孝橋『続社会事業の基本問題』による嶋田理論批判
 4 論争の経過と内容(その三)
    嶋田『社会福祉の構造=機能論的理解』による応答
    その後の論争
 5 孝橋・嶋田論争から学ぶもの
    論点の明確化と相違の背景
    相互牽引・影響
    学問的態度・方法・内容の特長
    問題点
6 「新政策論」論争/宮田和明
 1 はじめに―論争の背景と範囲の限定
 2「政策論」の意義と限界
    孝橋理論における「政策論」的方法
    社会事業の「合目的性」と「補充性」
 3「運動論」からの問題提起
    「運動論的視点」と社会福祉研究の実践的性格―番ケ瀬康子氏の提起を中心に
    社会福祉の歴史的発展と現代的特質―高島進氏の「三段階的発展」論を中心に
    社会福祉の二面性と「福祉労働の視点」―真田是氏の提起を中心に
 4 孝橋氏の反批判と残された課題
7 社会福祉理論研究の課題―岡村氏・孝橋氏の理論を借りて/真田是
 1 資本主義社会と改良現象
    社会福祉における「社会」
    改良現象をどう見るか
 2 社会福祉の機能―社会的機能と生活的機能
    社会福祉の生活的機能
    社会福祉の社会的機能
 3 社会福祉の対象
 4 政策・労働・運動
補章 戦前の社会事業論争/永岡正己
    はじめに
 1 戦前社会事業論争概観
    前史
    戦前論争の展開とその分析枠組
 2 昭和初期社会事業本質論争
    初期本質論争まで
    昭和初期社会事業本質論争
    昭和初期本質論争のその後―転向と抵抗をめぐって
 3 戦時厚生事業論争
    社会事業再編成論争まで
    社会事業再編成・厚生事業論争第一期―社会事業の再検討
    社会事業再編成・厚生事業論争第二期―新体制をめぐって
    戦時厚生事業論争の問題点と意味
    おわりに
 

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