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書籍名 イギリス社会保障の史的研究〔X〕
著者 樫原朗
判型 A5判
頁数 724頁
発行年月 2005年5月
定価 14,300円(税込)
ISBN ISBN4-589-02849-2
ジャンル 社会保障・社会福祉
本の説明 ブレア政権下の社会保障制度の実際とその背景・思想を丹念に解明。「福祉から就労へ」という新労働党の福祉政策のもとに進められる国民保健サービス、コミュニティ・ケア、年金改革、家族・就労政策を展開。社会的排除にも論及。
目次 序 章 二〇世紀末からの変化と新しい社会保障政策へ
 1 イギリス社会保障の変化
 2 一九七〇年代の改革
 3 一九八〇年代の改革(一九九一年まで)
 4 一九九一年からの改革
 5 新労働党の社会保障政策―target化の基盤を受けつぎ第三の道へ
 6 二一世紀初頭の変革
第一章 一九九〇年代の国民保健サービス―サッチャー・メジャー時代からブレアの時代へ
 1 一九九〇年の国民保険サービス及びコミュニティ・ケア法とその実施
 2 一九九七年への道
 3 基金保持の展開とプライマリ・ケア主導のNHSへ
 4 一般開業医診療からプライマリ・ケアへの道
 5 一般開業医診療をNHS組織の主流に
 6 プライマリ・ケア主導のNHSへの圧力
 7 一九九七年のNHS(プライマリ・ケア)法―プライマリ・ケアの規制緩和の拡大
 8 労働党の勝利とその政策
 9 労働党のホワイト・ペーパー『新NHS』―管理主義の勝利
 10 NHSの古典的時代からの決別と労働党の保健政策の方向
第二章 新労働党政権下における国民保健サービス
 1 プライマリ・ケア・グループとプライマリ・ケア・トラスト
 2 臨床技術評価全国機構と根拠にもとづく医療(EBM)
 3 管理主義の改革―パートナーシップとの関連で
 4 NHSと地方当局ソーシャル・サービスをより密接に統合化する
 5 ホワイト・ペーパー以後のサービス政策の目標
 6 待機リストの増大と謎、パフォーマンス指標、国際比較、そして危機の感覚へ
 7 費用の増大、増強の必要
第三章 地方自治体の変遷のなかでのコミュニティ・ケア 
 1 イギリスの地方自治体構造の変遷
 2 自治体の変化のなかでのコミュニティ・ケア
 3 コミュニティ・ケアと条件整備当局(enabling authority)
第四章 一九九〇年代のコミュニティ・ケアの展開  
 1 一九九〇年前後のコミュニティ・ケアをとりまく事情
 2 ホワイト・ペーパー『人びとへのケア』
 3 コミュニティ・ケア法の主要な政策目標
 4 ソーシャル・サービスの再構築の背景とその履行
 5 ケア・マネジメント(Care Management)
 6 エンパワーメント(Empowerment:活力づけ)
 7 コミュニティ・ケアの境界の移動
 8 ケアラーの問題
 9 ケアラー関係の法律―ケアラーズ(認識及びサービス)法
 10 コミュニティ・ケア(直接支払い)法と「ケアラーと障害児童法」による拡大
 11 入所ケアからの転換
 12 ソーシャル・サービスの現代化とケアラーのニーズ
 13 コミュニティ・ケアに関する王立委員会報告
 14 ソーシャル・サービスの現代化とケアラーの支援の強化
 15 強制的競争入札(CCT)からBest Valueへ
第五章 家族政策と社会保障
 1 児童扶養に対する家族責任
 2 児童給付関係の法律の変遷
 3 児童ケア政策の歴史
 4 九〇年代の一人親児童の扶養―九一年の児童扶助法とその意味
 5 一九九六年の家族法
 6 グリーン・ペーパー『児童第一』
第六章 年金改革とその特異性
 1 イギリスの年金制度の変化と年金受給者の所得源泉
 2 これまでの年金制度
 3 年金供給の神話
 4 保守党の年金提案
 5 労働党政府の年金改革プラン
 6 労働党の新年金―国家第二年金、最低所得保証、ステークホルダー年金
 7 グリーン・ペーパー『簡潔、安全そして選択―退職のための労働と貯蓄』
 8 イギリスの離婚による年金分割制度
 9 イギリスの新年金制度の特徴と問題
 10 職域年金制度の改革(一九九五年年金法と二〇〇四年年金法)
第七章 就労促進政策と社会保障
 1 労働のインセンティブの強化を目ざして―一九八六年社会保障法以後
 2 メジャー政権下での考え方
 3 一九九五年の求職者手当(Jobseeker’s Allowance)の導入と内容
 4 労働党の考え方と総選挙
 5 何故、福祉から就労なのか―ブレア政権の考え方の形成
 6 社会保障給付費の増加と受給の罠
 7 社会保障のニューディールと労働のインセンティブ
―グリーン・ペーパー『わが国の新しい野望―福祉に対する新しい契約』
第八章 新労働党の福祉政策の背景の思想と制度への結びつき
 1 ニューライト及び旧労働党と異なるものを求めて
 2 社会正義委員会の考え方の革新
 3 完全雇用に対する考え方の変更
 4 コミュニタリアニズム
 5 一時的支援としての福祉
 6 福祉に対するニューディール―新労働党の福祉改革の考え方
 7 福祉から就労への戦略―ニューディール、その具体的内容
 8 ステークホルディングの考え方
 9 機会の平等
 10 障害者給付の問題
 11 二一世紀にむけての、かくれた失業、障害者問題などの対策
第九章 イギリスの二〇世紀末の貧困
 1 貧困に対する意識変革のなかで
 2 貧困の定義
 3 貧困の相対的定義へ
 4 絶対的ならびに相対的貧困
 5 相対的定義にもとづいた貧困の研究
 6 貧困のダイナミックス
 7 アンダークラスの概念とその実態
 8 ニューライトの考え方に対する批判
 9 貧困の構造的な説明
 10 新労働党の対策―児童貧困の終焉へ
第一〇章 ブレア、ギデンズの政治と福祉の第三の道
 1 変化した状況のなかでの第三の道へ
 2 第三の道へのアメリカの影響と相違
 3 社会正義委員会等の考え方
 4 再構築と社会契約の再協議
 5 機会の平等
 6 リスクの共同管理とポジティブ・ウェルフェア
 7 第三の道の社会保障への影響
第一一章 社会的排除問題への取り組み 
 1 社会的排除研究への動き
 2 イギリスにおける社会的排除
 3 社会的排除に関する新労働党の政策
 4 貧困の範囲
 5 貧困を緩和する政策とそれにともなう問題(詐欺)
 6 社会的排除の次元、低賃金と社会保険、若年者の長期失業と教育
 7 社会的排除の次元と指標
 

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