書籍名 | 危機の時代の平和学 |
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著者 |
木村朗著 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 296頁 |
発行年月 | 2006年5月 |
定価 | 2,970円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02952-9 |
ジャンル | 国際関係・外交 |
本の説明 |
ユーゴ=ソ連紛争から冷戦の終焉、その後の国際秩序の変容をたどった第二次大戦後の国際関係史の証言と記録。米国による「新しい帝国秩序」が形成されつつある現代、市民や自治体を主体とする、構造的暴力の克服と積極的平和の創造を説く。 |
目次 |
はじめに―平和研究・平和教育・平和運動の三位一体を求めて 序章 危機の時代の到来と主体的な選択 ◆平和学の課題とは T 冷戦史の一断章―社会主義とナショナリズムの相克 第1章 冷戦の起源とコミンフォルムからのユーゴ追放の波紋 はじめに 一 東欧人民民主主義の成立と多様な発展 二 大戦前後におけるソ連の東欧政策 三 「冷戦」開始と「ソ連・東欧圏」の成立 四 「非スターリン化」からペレストロイカへ 結びにかえて―東欧諸国における自立化と改革の模索 第2章 社会主義とナショナリズムの相克を超えて ◆ソ連・ユーゴの比較検討を中心に はじめに―社会主義再検討のあり方をめぐって 一 「一国社会主義」論とプロレタリア国際主義の矛盾 二 社会主義的世界連邦と自主管理の実現に向けて ―旧ソ連・ユーゴの経験を中心に U 冷戦の終焉と国際社会の変容 第3章 湾岸危機・戦争とユーゴ解体の波紋 ◆国連改革と欧州新安全保障体制の形成 はじめに 一 ポスト冷戦期の「新世界秩序」と国連 二 冷戦の終結と欧州統合の進展 三 湾岸戦争・ユーゴ内戦と欧州新安保 第4章 冷戦後の世界と噴出する民族問題 ◆旧ユーゴ紛争を中心に はじめに 一 民族問題とは何か 二 旧ユーゴ紛争にみる民族対立の具体的様相 三 国際社会は諸民族の共生を実現できるか 第5章 人道的介入論の登場と21世紀型の戦争 ◆コソヴォ紛争とNATO空爆 はじめに 一 コソヴォ問題の歴史的背景と紛争勃発までの経緯 ニ ランブイエでの交渉決裂とNATO空爆の正当性をめぐって 三 NATO新戦略と新ガイドライン ―「ヨーロッパの周辺事態」としてのコソヴォ紛争 四 コソヴォ問題の現状と今後の展望 V 21世紀の新たな世界秩序の模索と日米関係 第6章 冷戦終結と変質する日米安保体制 ◆地域から問う平和戦略の構築 はじめに 一 米国の新しいアジア太平洋戦略と新ガイドライン安保体制の成立 二 新ガイドライン・周辺事態法と九州・沖縄の「最前線基地化」 三 地域から問う平和戦略の構築に向けて 第7章 九・一一事件後の世界と「新しい戦争」 ◆二つの世界秩序の衝突 はじめに 一 九・一一事件の意味と背景 二 「新しい戦争」の登場と「新しい帝国秩序」の形成をめぐって 三 二つの世界秩序の衝突と日本の選択 第8章 原爆神話からの解放と核抑止論の克服に向けて ◆「正義の戦争」とは何か はじめに 一 「原爆神話」からの解放 二 長崎への二発目の原爆投下の意味 三 「重慶爆撃」から「ヒロシマ・ナガサキ」へ 終章 21世紀の東アジアにおける平和秩序の構築のために ◆戦争と核のない世界を求めて 一 東アジアの「冷戦構造」の克服と朝鮮半島の統一問題 二 NPT体制の形骸化と新たな核戦争の危機を克服するために 三 平和憲法の具体化と東北アジア非核地帯化の設置 ―「非核神戸方式」から「無防備都市宣言」へ 参考文献一覧 特別編 国際関係と平和を考える ◆平和教育の実践記録&体験録 ・ 辺見庸著『永遠の不服従のために』の薦め ・ 現代世界をどのようにとらえるか―国際関係と平和を考える ・ ユーゴ留学体験記&旧ユーゴ諸国再訪記 ・ 平和をめぐる旅(中国、韓国、ヴェトナム、アメリカ、ピースボート) ・ 平和問題ゼミナールの軌跡 おわりに 事項索引 人名索引 |