書籍名 | 宗教法人法制と税制のあり方 |
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副題 | 信教の自由と法人運営の透明性の確立 |
著者 |
石村耕治編著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 260頁 |
発行年月 | 2006年10月 |
定価 | 3,300円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02973-1 |
本の説明 |
公益法人法制・税制の検討が進められるなかでいま、「聖」・「俗」の二面性を有する宗教法人の透明性が問われている。自律的な宗教活動をめざし、信教の自由の観点から宗教法人とその税制のあり方を解明する。 この書籍は品切につき入手できません |
目次 |
はしがき 第1部 宗教法人法制と税制の基礎/石村耕治・斎藤謙次・廣橋隆・相ノ谷修通 序説 信教の自由を護る法人制度・税制の確立に向けての分析 第1章 宗教法人法制の研究 T 宗教法人法制の展開 1 明治初期の法制の検討 2 明治憲法の制定と宗教法制の展開 3 宗教団体法の検討 4 宗教法人令の検討 5 宗教法人法の検討 U 宗教法人とその設立 1 許可主義・認証主義・準則主義の比較検討 2 法人法における宗教法人の位置 3 理論と実際の運用との乖離 第2章 宗教法人税制の研究 T 宗教法人の納税義務 1 国税・地方税の一覧 2 課税ベース別にみた宗教法人への課税除外取扱いの概要 U 宗教法人非課税制の検討 1 宗教団体非課税制の沿革 2 宗教法人活動および事業区分と課税取扱いの構図 3 非課税の根拠 4 現代的な非課税の根拠の検討 5 総括的な検討―憲法と税法の接点上の課題 第3章 法人運営の透明性確保の課題 T 非課税法人としての宗教法人のガバナンスの仕組み 1 宗教法人に特有のガバナンスの課題 2 宗教法人法とガバナンスに関する一般原則 3 任意機関の設置によるガバナンスの確保 4 教憲・宗憲・規程等の活用による宗教的側面でのガバナンスの確保 U 非課税法人としての宗教法人のアカウンタビリティの仕組み 1 公告制度 2 登記制度 3 事務所備付資料の開示と所轄庁への写しの提出 小括 第2部 宗教法人法制と税制の今日的課題 第1章 宗教団体と個人情報保護法―宗教界に迫る情報開示の波―/石村耕治 はじめに T 宗教団体への個人情報保護法適用の構図 U 個人情報保護法の概要 1 個人情報取扱事業者とは 2 個人情報、個人情報データベース、個人データ、保有個人データとは 3 個人情報取扱事業者の義務 V 宗教団体が保有する個人情報 1 見逃しがちな個人情報 2 小規模法人特例にいう5000件の数え方 W 宗教団体への法の適用除外 1 政教分離と主務大臣の介入 2 主務大臣の介入措置と宗教団体側の法的対応 むすびにかえて―宗教団体の個人情報保護規程・指針などの作成― 第2章 宗教法人が提出した備付書類と情報公開法・条例 ―行政情報の公開と信教の自由のはざま―/石村耕治・廣橋隆 はじめに T 情報公開法・情報公開条例と宗教法人情報 U 情報公開の対象外となる「非公知の事実とは」 1 所轄庁への提出書類の範囲とその趣旨 2 「非公知の事実」の範囲 V 問われる鳥取県での情報公開条例の運用と宗教法人の非公知事実の開示 1 備付書類の提出制度の趣旨と情報公開条例の運用 2 鳥取県や宗教界などの主張・対応のあらまし 3 宗教法人情報開示訴訟―県に開示取消命令 むすび 第3章 公益法人制度改革と宗教法人法制・税制への影響 ―問われる“役所主導”の制度改革―/斎藤謙次・石村耕治 はじめに T 法人法制改革の位置 1 法人制度と今回の改革の対象 2 今回の法人制度改革の担い手は 3 公益法人制度改革の経緯 4 準則主義、二階建の法人制度の導入 U 公益法人制度改革関連3法の点検 1 一般社団・財団法人法とは 2 公益法人認定法とは 3 一般社団・財団法人法および公益法人認定法の施行整備法(整備法)とは 4 課税除外法人から課税法人への移行に伴う贈与・公益目的支出計画の実施 V 税制の見直し 1 現行の非営利・公益法人に対する課税除外 2「原則課税」のイメージ 3 その他の税制上の支援措置 W 宗教法人法制と税制への影響 1 宗教界の対応 2 宗教法人への影響 3 民法法人形態にある宗教団体の場合の対応 むすび―求められる民間活力・自律性が生かされる仕組み― 第4章 信教の自由と平和基金指定納税制 ―軍事費に使われないように平和を愛する信仰者が指定して 納税できる仕組みを考える―/石村耕治 はじめに T アメリカの平和基金指定納税制 1 平和納税者保護制度案の骨子 2 平和納税者保護制度確立をめぐる連邦議会の動向 3 平和納税基金法案の行方 4 平和納税基金法案の紹介 5 平和納税基金の憲法的評価 6 平和納税基金法案に対する批判 U わが国での軍事費相当分納税拒否運動と平和基金指定納税制の必要性 1 平和的生存権を根拠とした軍事費相当分納税拒否運動 2 求められるタックス・チェックオフを使った平和納税基金の創設 むすび 第5章 アメリカの政教分離課税制度 ―政教分離の壁を高くするための税制とは―/石村耕治 はじめに T アメリカの宗教団体法制の特質 1 「宗教集団」自体は、法人格を取得できないとする考え方に従う州 2 宗教団体は、俗事処理という限定目的で法人格の取得ができる という考え方に従う州 3 宗教団体と州法 4 宗派組織と宗教法人法との接点 U 宗教団体等への課税除外措置の特質 1 非営利団体免税制の意味 2 教会および宗教系団体の定義 3 宗教活動への課税除外措置 4 教会や宗教団体の免税資格承認基準 V 宗教団体などの政治活動と規制課税 1 政治活動を理由とする課税(課税除外資格取消)処分事件 2 教会や宗教団体による政治活動の法的限界 W 内国歳入庁のガイドライン 1 実質的なロビイング活動とは何か 2 公職選挙キャンペーン活動とは何か X IRSの課税除外(免税)審査手続に関する議会の調査 1 合同委員会調査報告書の分析 2 合同委員会調査報告書の意義 Y 信教の自由と世俗法上の受忍義務との接点 1 信教の自由と世俗法上の受忍義務との考量基準 2 司法府と立法府との確執 3 学問的な見解 Z 頓挫した“礼拝施設における選挙演説解禁法”案 1 問われる礼拝施設における選挙演説の解禁 2 法案に関する議会公聴会での議論 3 政治活動規制課税と表現の自由 4 問われる宗教を根拠とする政治活動規制課税の緩和策 むすび 第6章 アメリカにおける宗教団体の内部統治 ―宗教団体の自律性と透明性を考える―/相ノ谷修通 はじめに T 宗教団体の内部統治 U 国家による宗教団体の内部統治への配慮 V キリスト教会の内部統治 1 ローマ・カトリック教会 2 長老派教会と改革派教会 3 会衆制教会諸派 W 宗教団体の自律性と透明性の課題 むすび 第7章 欧米主要国の宗教団体法制と税制 ―英独仏米の制度を比べてみる―/石村耕治 はじめに T イギリス 1 政教分離の現状 2 英国教会の所在 3 既成宗教の所在 4 新宗教の所在 5 宗教団体課税 6 公益寄附金控除・損金算入制度 U フランス 1 政教分離と宗教団体 2 宗教団体課税 3 公益寄附金税制 V ドイツ 1 公認宗教制と教会税 2 法人制度と免税資格 3 宗教団体にかかる税金の種類 4 公益寄附金税制 W アメリカ 1 政教分離と宗教団体 2 アメリカの宗教団体法制の特質 3 教会や宗教系団体への課税除外措置の特質 4 非関連(収益)事業課税 5 受取所得への課税取扱い 6 公益寄付金税制 |