書籍名 | 社会保障法のプロブレマティーク |
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副題 | 対立軸と展望 |
著者 |
大曽根寛・ 金川めぐみ・ 森田慎二郎編 |
判型 | A5判 |
頁数 | 270頁 |
発行年月 | 2008年9月 |
定価 | 7,700円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03115-0 |
ジャンル | 社会保障法 記念論集・個人全集・講座 |
本の説明 |
久塚純一先生還暦記念論文集 社会保障法における対立軸を共通のテーマに、「法的枠組み」「社会保険」「福祉サービス」の3つの領域の主要な争点を明示した問題提起の書。社会保障の基本原則を踏まえ、制度理念や政策意図の変貌を歴史的、構造的に分析。 |
目次 |
目 次 まえがき 第T部 社会保障の枠組みをめぐる対立軸 1 社会保障の理念と実態 ■小泉政権期における社会保障実態の崩壊過程 大曽根 寛 1 本稿の問題意識 2 本稿の目的,分析の方法 3 小泉政権の段階区分 4 社会保障実態の崩落―人々が社会保障か ら脱落してゆく 5 まとめ 2 社会福祉立法の基本理念 ■「権利としての自立」か「義務としての自立」か 品田 充儀 1 はじめに 2 社会福祉立法の目的概念の変容 3 「自立」強調の背景 4 「自立」義務と「自立」支援の意味 5 「自立」支援とは何をすることか 6 おわりに 3 ライフステージにおける社会保障法 ■自己決定と第三者支援のはざま 古橋エツ子 1 はじめに 2 ライフステージと社会保障法の課題 3 自己決定に関する第三者による支援 ―児童虐待の課題を中心に 4 自己決定と家族関係の課題―高齢者介護 を中心に 5 おわりに 4 社会保障の役割の再検討 ■先進国・工業化諸国と発展途上国における社 会保障の異同から 山田 晋 1 はじめに―“Social Security for All” はいかに達成されるべきか 2 社会保障制度の展開 3 途上国の社会保障改革 5 国家制度間における「配偶者」規定 ■生活実態と法規定のゆらぎから 本沢巳代子 1 はじめに 2 遺族年金と近親婚内縁「配偶者」 3 遺族年金と重婚的内縁「配偶者」 4 おわりに 第U部 社会保険をめぐる対立軸 6 国民年金法における「被保険者」 ■社会保険における『任意』と『強制』を軸に して 畑中 祥子 1 本稿の目的 2 社会保険における「被保険者」 3 国民年金法における「被保険者」像の変遷 4 国民年金における「被保険者」 7 「公・私」の軸における終身年金の位置づけ ■個人年金保険との関係を中心に 長沼建一郎 1 問題の所在 2 個人年金保険の商品性 3 社会保障における終身年金の位置づけ 4 いわゆる公私分担論との関係 5 まとめに代えて 8 退職所得保障における企業自治と国の関与 ■三菱長崎造船所の諸規程の変遷と社会保障立 法との交錯を題材として 森田慎二郎 1 はじめに 2 三菱長崎造船所における退職手当制度の 形成 3 社会保障立法の進展と退職手当制度との 交錯 4 考 察 9 戦後沖縄の医療保障制度の変遷から見えて くること ■医療の現物給付制度と償還払い制度について の再考 春田吉備彦 1 はじめに 2 米国統治下の沖縄医療保障制度の展開 3 現物給付方式による生活保護法上の医療 扶助について 4 復帰後の沖縄の国民健康保険法適用と国 民健康保険法上の「償還払い方式」について 5 むすびに代えて 10 介護保険法における保険者自治と国の関与 ■保険料の減免・助成制度に焦点をあてて 小西 啓文 1 はじめに 2 介護保険料の賦課方法 3 低所得者に対する保険料対策と保険者の 自治―「自律」と「依存」の関係 4 多摩地域における保険者の介護保険料減 免・助成制度の実際 5 「保険者自治」と「国による関与」 6 むすびに代えて 第V部 福祉サービスをめぐる対立軸 11 社会保障における排除と包摂 ■ホームレス自立支援施策からみるその過程 金川めぐみ 1 はじめに―排除は、「私」のせいか 2 「福祉システムからの排除」としての ホームレス問題 3 ホームレス自立支援施策における「排除 と包摂」 4 おわりに―社会保障における「排除と包 摂」のゆくえ 12 措置入院制度の変容 ■社会防衛と医療保障 永井 順子 1 序―本稿の目的 2 1950年精神衛生法の成立と措置入院制度 の創設 3 社会防衛目的への批判の萌芽と1970年代 からの措置率の減少 4 精神保健法の成立から精神保健福祉法へ 13 生活保護における強制と自立 ■補足性原理の再検討 山田 省三 1 問題の所在 2 補足性の原理の再検討 3 イギリス法における補足性の原理 4 生活保護法における強制と自立 結 社会保障法的議論として再構成する ■いかなる枠組みで捉え表現するのか 久塚 純一 1 はじめに 2 「社会保障法」的議論の必要性とそれを 可能とする場の設定 3 「社会保障関係の新しい法律」を手掛か りとして再構成する 4 「社会保障関係の法律の改正」を手掛か りとして再構成する 5 社会保障関係の裁判例を手掛かりとして 再構成する 6 議論のありようを手掛かりとして再構成 する 7 むすびに あとがき |