書籍名 | 世界金融危機と現代法 |
---|---|
副題 | 現代資本市場法制の制度設計 |
著者 |
大島和夫著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 234頁 |
発行年月 | 2009年4月 |
定価 | 3,960円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03162-4 |
ジャンル | 法学一般 |
本の説明 |
「百年に一度」といわれる今回の世界金融危機では何が問題だったのか。制度的分析を通じて、証券化による過度の信用拡大に警鐘を鳴らし、安定的な資本市場を確立するための法制度設計のありかたを提唱する。 |
目次 |
はじめに 序章 今回の金融危機の概略 第1章 前触れと経過 1 恐慌の教訓からの後退 2 過去最高の利益にわく証券業界 ―2006年の末 3 しのびよる破綻―2007年 4 拡大する損失―2008年 5 ファニーメイとフレディマックの破綻 6 リーマン破綻の衝撃 7 ヨーロッパへの飛び火 8 巨大企業に破綻の連鎖 第2章 バブルの教訓と投資ファンドの台頭 1 経済の投機化 2 バブル経済の教訓 3 投資ファンドの登場と影響 4 ヘッジファンドの登場と影響 第3章 ヘッジファンドの参入と退出 1 ヘッジファンドとCDS 2 ヘッジファンドの凋落 3 ユーロとポンドの危機 4 ヘッジファンドの終焉 5 ヘッジファンドと空売り 6 ファンドに対する規制の動き 第4章 ゆき過ぎた証券化 1 発端はサブプライム・ローン 2 スライシング・アンド・ダイシング 3 CDSの落とし穴 第5章 金融安定化の取り組み 1 空売り規制 2 国際的協調 3 時価会計の見直し 第6章 金融危機と裁判 1 ARSの不当販売 2 開示義務の回避 3 相場操縦 4 M&Aとレブロン基準 第7章 世界的金融危機と日本の金融システム 1 金融危機の日本への影響 2 日本の金融・資本市場の変化 3 資本市場の規制緩和とバブルの形成 第8章 日本の金融システム安定化のルール 1 金融安定化のための適切な処理とは何か 2 損失負担のシステムとルール 3 受皿探し―「損失の最小化」のための本源的 ルール 4 不良債権処理 5 会社更生法―「負担の公平化」のルール1 6 民事再生法―「負担の公平化」のルール2 7 損失の公平な負担 ―熊谷組とりそなのケース 8 市場が企業を評価できるのか 9 金融システム安定化のためのルール 10 小括 第9章 日本の資本市場の現状と課題 1 日本のM&Aの特徴 2 M&Aをめぐる事例 3 経営者の姿勢の変化と買収防衛策 第10章 M&Aの評価 1 フロー経済からストック経済へのパラダイ ム転換 2 アメリカの1980年代のM&A 3 2000年のM&Aバブル 4 M&Aをめぐる議論 5 アービトラージ(arbitrage)取引 6 小括 第11章 資本市場と現代法 1 これまでの研究 2 インサイダー取引 3 母体行責任―長銀のノンバンク支援事件 4 日本の金融強化法 まとめ あとがき 参考文献 金融関連略語 事項索引 |