書籍名 | 新自由主義批判の再構築 |
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副題 | 企業社会・開発主義・福祉国家 |
著者 |
赤堀正成・ 岩佐卓也編著 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 304頁 |
発行年月 | 2010年8月 |
定価 | 3,300円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03281-2 |
ジャンル | 労働問題 |
本の説明 |
混迷する今日の新自由主義批判論を、その軸になる3領域の実証的・理論的な解明を通して整理する。変革期にある今、新自由主義に対抗する課題と主体・運動を考える場を提供。 |
目次 |
序 章 新自由主義批判の再構築のために ・・・・・・・・・・・・赤堀正成・岩佐卓也 民主党政権の成立と新自由主義をめぐる動向/ 日本における新自由主義批判の混乱/本書の構 成と課題T―新自由主義と企業社会/本書の構 成と課題U―開発主義と福祉国家 第T部◇新自由主義と企業社会 第1章 新自由主義改革と「野蛮な労働市場」 ■木下武男『日本人の賃金』の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤堀正成 はじめに:日本的経営と労資関係/『日本人の 賃金』の現状認識/「アメリカ型職務給」と新福祉国 家戦略/「日本型職務給」―旧さくら銀行のヘイ・シ ステムを用いた新人事制度/「アメリカ型職務給」(ヘイ・シ ステム)と個人評価/「パート型」労働者・女性労働者 の差別と年功賃金/『日本人の賃金』における 総評の職務給反対闘争に対する理解/職務給は 「連帯の原理」にかなっているか/年功賃金と電 算型賃金体系/現に存在する横断的労働市場 第2章 日本的経営は解体したのか ■『新時代の「日本的経営」』における 構想と実践 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・赤堀正成 『新時代の「日本的経営」』の社会統合論の不在 /今日の日本的経営/新自由主義派と反新自由 主義派の一致/対立軸としての「終身雇用慣行」 と年齢別賃金 第3章 格差問題を逆手にとる「労働ビッグバン」 推進論 ■八代尚宏氏の主張を読み解く ・・・・・岩佐卓也 『雇用改革の時代』と「労働ビッグバン」/八代 氏の主張をどうみるか/労働運動の課題 第4章 男女賃金差別と年功賃金 ■森ます美『日本の性差別賃金』の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岩佐卓也 「年功賃金=属人的=性差別的」というテーゼ/ 「女性の職務内容への着目」の意義/結論/補論 :『日本の性差別賃金』におけるその他の論点 第5章 首切り容易な社会の方が労働者は幸せ? ■脱格差の名のもとに解雇自由化を唱える 「労働ビッグバン論」 ・・・・・・・・・・・・・平井治郎 日本の雇用保護制度の規制は厳格か/雇用保護 制度は雇用に悪影響を及ぼすか/その他四つの 疑問 第U部◇開発主義と福祉国家 第6章 日本における新自由主義の性格規定に ついて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岩佐卓也 後藤道夫氏の「日本=開発主義=非福祉国家」テー ゼ/日本の位置と日本の新自由主義の攻撃対象 /「新自由主義vs開発主義」対抗図式の意味/お わりに 第7章 官僚主導国家観の大いなる幻想 ■日本は「開発主義国家」か? ・・・・・・・菊池信輝 経済官僚たちは本当に優秀だったのか/語られ ざる「国民所得倍増計画」の正体/実際にはもっ と短かった「官僚たちの夏」/オポチュニストと しての官僚/民間企業の防波堤たち/「粗大ゴミ 論」へといたる道のり/経済界の意向に左右さ れる「行革」 【後記:日本は「開発主義国家」か】 第8章 開発主義論と新自由主義との政治的 親和性 ■『情況』新田論文の教訓 ・・・・・・・・・森田成也 新田氏によるハーヴェイ批判の検討/新自由主義イ デオロギー賛美と開発主義的戦後日本像/中曽 根改革と労働運動解体に対する徹底した過小評 価/アカデミズムの「審級」への還元/小泉改革への 肯定的評価/オルタナティブとしての「ソフトな新自由主 義」 第9章 新自由主義に対抗する福祉国家論の条件 ■社会政策学と「新福祉国家」論をめぐる 批判的考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・兵頭淳史 新自由主義的社会保障改革と生存権保障/社会 政策論における生存権アプローチの限界/「新福祉 国家論」の問題点/生存権原理の再構築と福祉 国家構想 あとがき |