書籍名 | 解雇の研究 |
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副題 | 規制緩和と解雇法理の批判的考察 |
著者 |
高橋賢司著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 360頁 |
発行年月 | 2011年12月 |
定価 | 7,920円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03304-8 |
ジャンル | 労働法 |
本の説明 |
失業対策と労働市場活性化を名目として唱えられた解雇法制の規制緩和論を、EU法・ドイツ法の比較研究を踏まえ批判的に考察。日本の解雇法制への規範的視座を提供する。 |
目次 |
序 章 解雇規制について何が問われるべきなのか/研 究のアプローチと対象 ◇第T部 ドイツ法における解雇制限法理◇ 第1章 ドイツにおける解雇制限法と解雇法理の 発展過程 ワイマール期以前の解雇法理/ワイマール期に おける事業所協議会法の成立と展開/国家社会 主義時代における判例の発展と集団的労働法制 の衰退/1951年解雇制限法の誕生とその後の判 例法理の形成/ドイツにおける解雇規制の緩和 とその検証/小括 第2章 解雇制限の目的(保護の目的) 解雇制限の目的 第3章 ドイツ法における解雇制限法理 将来予測の原則―特に経営上の理由にもとづく 解雇/最終的手段性の原則/社会的選択/事業 所委員会の異議申立て権/大量解雇規制/小括 ―第3章での考察をふまえて 第4章 ドイツにおける解雇の補償と従業員代表 の参加 解消判決/事業所委員会の参加、組織変更、社 会計画/和解/経営の必要性を理由とした解雇 の場合の補償/小括 ◇第U部 日本法における解雇規制とその行方◇ 第1章 解雇規制の緩和をめぐる考察 解雇規制の緩和論/日本の雇用慣行の特色と解 雇規制の緩和論の矛盾点/解雇規制の緩和論に 対する疑問/小括 第2章 解雇規制の正当性をめぐって 解雇規制の正当性をめぐる従来の学説/解雇制 約の法理をめぐる法原理/解雇と差別禁止法理 第3章 新自由主義思想のオールタナティブを 求めて―社会国家原理と社会的包摂 社会国家原理の起源とその内容/貧困の克服と 「社会的包摂」のための解雇法制/新自由主義 に対峙する社会国家原理 第4章 整理解雇の新たな法理のために 裁判例における整理解雇法理/人員削減・解雇 回避努力義務に関する裁判例/人員削減の必要 性に関する新基準の試み/裁判例・学説におけ る人選基準論/日本社会における社会的包摂と 配慮義務/まとめ 第5章 疾病を理由とした解雇 疾病の場合における裁判例/新たな法理の可能 性=配慮義務の可能性 第6章 能力・成果主義人事管理と解雇 能力主義・成果主義雇用管理普及による解雇事 件の増加/能力不足(人事考課・勤務成績・欠 勤・遅刻など)を理由とした解雇の裁判例/従 来の雇用法制と解雇法理の概要/能力・業績不 足を理由とした解雇の判断方法・判断基準 第7章 労働審判制度と解雇に関する法の 実現過程 労働審判制度のスタート/労働審判における解 雇事案 第8章 退職勧奨の法的問題 問題の所在/従来の判例及び学説/希望退職、 退職勧奨、退職強要の問題/退職勧奨、退職強 要についての新たな視点/私法秩序における新 たな法理 終 章 初出一覧 あとがき |