書籍名 | 大災害と犯罪 |
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著者 |
斉藤豊治編 |
判型 | A5判 |
頁数 | 242頁 |
発行年月 | 2013年3月 |
定価 | 3,190円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03478-6 |
ジャンル | 刑事法 社会学 |
本の説明 |
3.11を含む国内外の大災害と犯罪、さらには原発問題と企業・環境犯罪について、災害の類型×時間的変化×犯罪の類型という定式に基づき学術的に整理、検証。理性的で適切な犯罪対策を模索する。 |
目次 |
はしがき ◆◆第T部 大災害と犯罪◆◆ ■総 論―――――――――――――――― 第1章 大災害後の犯罪…………………斉藤豊治 はじめに/災害の類型/災害時の犯罪の類型/ 災害の時間的経過と犯罪問題/むすびに ■過去の大災害と犯罪―――――――――― 第2章 阪神・淡路大震災後と 関東大震災後の犯罪現象の比較 ………………………平山真理 はじめに/関東大震災後の犯罪現象/阪神・淡 路大震災後の犯罪現象/2つの大震災後の犯罪 現象の比較/むすびに 第3章 阪神・淡路大震災後の犯罪現象 ………………………岡本英生 はじめに/犯罪学理論による災害と犯罪との関 係についての説明/震災と犯罪との関係/今後 の大災害に備えるために 第4章 阪神・淡路大震災後の犯罪防止活動 ………………………松原英世 はじめに/日常活動理論/なぜ震災後に犯罪は 増加しなかったのか/本分析からの示唆 ■海外の大災害と犯罪―――――――――― 第5章 ハリケーン・カトリーナ後の アメリカ南部の危機 ……エミリー・ベースロット はじめに/カトリーナ後のニュー・オーリンズ の都会の下層民と社会解体/ニュー・オーリン ズ、そしてヒューストンの発達する都市におけ る社会解体/暴力犯罪と社会解体についてのデ ータと尺度/記述分析/統計的な分析、議論、 そして結論 ■東日本大震災と犯罪―――――――――― 第6章 東日本大震災の津波への対応は 適切だったか……………………横山 実 はじめに/防災/予兆/津波への対応/避難行 動/むすびに 第7章 東日本大震災における助け合いと犯罪 ……………………阿部恒之 東日本大震災の被害概況/秩序ある被災生活/ 被災生活の実態/警察庁の統計にみる被災地の 犯罪実態/新たな懸念/むすびに ◆◆第U部 原発と企業・環境犯罪◆◆ 第8章 犯罪学からみた原発事故………竹村典良 はじめに/情報非公開・情報統制による放射能 汚染・被曝の拡大/日本における原発の「政治 経済学」/原発は「安全な万能薬」か「カタス トロフィの源」か/未曾有の全面的放射能汚染 の脅威と半永久的な事故処理・被曝影響追跡調 査・治療/原発複合体による環境犯罪とグリー ン犯罪学/複雑性(カオス、偶発性、臨界)と 原発事故の発生/むすびに 第9章 経済・企業犯罪研究からみた 福島原発事故………マイケル・レヴィ& トム・ホーリック−ジョンズ はじめに/福島原発事故/災害、日本の被害者 的地位、広島の記憶としての福島/福島と自然 による危険/ずさんな計画と日本の制度的麻痺 から生じたものとしての福島/企業犯罪として の福島?/これらの説明は調和されうるか 第10章 地震・断層研究からみた 柏崎刈羽原発の危険性と福島原発事故 ……………………立石雅昭 はじめに/震源断層の想定の誤りのくり返し/ 地震の伝搬・増幅過程に関する知見の不備/付 属諸施設の耐震性の脆弱性/自然現象への敬虔 な念を抱かない傲慢な「安全神話」/安全性を 検証する組織、規制機関の不備/産官学の癒着 構造 第11章 原発訴訟弁護団からみた 浜岡原発の危険性と福島原発事故 ……………………青木秀樹 原発の危険性を直視しなかった立法・行政・司 法/これまでの安全性判断の枠組みおよび判断 基準/浜岡原発の危険性と不当な第一審判決/ 福島原発事故から考えるべきこと 第12章 福島原発事故と刑事責任………松宮孝明 はじめに/要員の危険回避と刑事責任/原子力 災害に関して想定すべき危険を見誤ったことに 関する過失責任/適切な対応によって危険を低 減する義務と過失/刑事責任の追及と事故調査 終 章 近未来の大災害と犯罪に備える ……………………斉藤豊治 迅速な救援活動の重要性/住民による自主的な 犯罪予防活動/正確な情報の提供と「絆」の質 /大災害後の「略奪」を考える/原発事故と刑 事責任 |