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更新日:2014.04.14
映画(シネマ)と憲法のインターフェース
これまで、「法学」や「社会学」へ映画からアプローチする本はあった。
本格的にその学問をはじめる前に、「副読本」としてテキストといっしょに読めば、イメージが拡がるというねらいだろう。
本書はその憲法版といったところだが、『映画で学ぶ憲法』という本(あるいは映画から考えるタイプの憲法の本)はなかった。
講義体系や判例などから憲法を学ぶよりも前に、バーチャルリアルな映画のトピックから憲法現象を追体験するのも、とくに学生という限られた実体験しか持たない若者からイマジネーションを働かせるという意味では、教育効果もあろう。また、その映画の面白さや深刻さ、さらになぜこの映画が作られねばならなかったのかという背景も考えることになるといっそう問題を深めることができるだろう。
本書で採り上げている映画は、約50本にのぼる。執筆陣も豪華だ。
わたしも、正直半分ほどは見ていないものだったが、見ていないものであっても、本書のあらすじと解説を読んで、DVDを借りてみようかと思ったものもかなりあった。
マイナーと思えるものもあったが、それはそれで新たな発見でもある。
映画ファンだけでなく、憲法を学ぶ副読本としてとても便利で参考になる書である。
ぜひお勧めしたい。
【秋山】
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