書籍名 | 文化戦争と憲法理論 |
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副題 | アイデンティティの相剋と模索 |
著者 |
志田陽子著 |
判型 | A5判 |
頁数 | 328頁 |
発行年月 | 2006年1月 |
定価 | 6,820円(税込) |
ISBN | ISBN4-589-02897-2 |
ジャンル | 憲法 |
本の説明 | 文化や道徳をめぐる価値観が政治争点となることで、軋轢を加速させる「文化戦争」。そのアメリカでの状況と憲法問題性、人権への影響、憲法的解釈の可能性をさぐる。日本での日の丸・君が代問題、歴史教科書問題、夫婦別姓問題など現代的課題にも示唆を与える。 |
目次 |
第T部 総論 文化戦争へのアプローチ 序章 アメリカの分裂―「文化戦争」 第1章 「文化戦争」と憲法論の応答 1 「文化戦争」の問題化 2 「文化戦争」の憲法問題性 第2章 文化戦争とアイデンティティ はじめに―アイデンティティ論の困難 1 アイデンティティの相剋性あるいは「排除」をめぐる議論 2 憲法学における《アイデンティティ》の理論化 3 構築主義の影響 4 アイデンティティからの解放とアイデンティティの解放 5 共同体のアイデンティティと憲法解釈 章の終わりに 第3章 文化戦争と民主主義 はじめに―民主過程における関心のシフト 1 議論の整理 2 バルキンの民主主義理解と社会構造分析 3 検討―「文化戦争」をめぐる、実体論と民主過程補完論 章の終わりに 第4章 文化戦争と「マイノリティ」と「権利」 はじめに―マイノリティ救済か個人の権利か 1 文化システムの憲法的不正性 2 文化戦争領域における平等保護条項・国教樹立禁止・プライバシー権 第U部 各論 性の領域と刑事司法の領域 第5章 文化戦争と性の領域―自律と平等 はじめに 1 問題系の整理および用語選択にかかわる理論的問題 2 問題系の分化―《性の自律モデル》と《アイデンティティ・モデル》 3 学説の展開―プライバシー権論と平等保護論 章の終わりに―文化戦争とLawrence v. Texasの意味 第6章 文化戦争と刑事司法 はじめに 1 刑法の特殊性に照らした問題領域化 2 アメリカにおける憲法理論化の試み 3 検討 4 アイデンティティに対する暴力の問題 5 法表現の権力作用―有罪宣告効果を持つ法の違憲性 6 検討 章の終わりに 第7章 文化戦争と言論規制―ヘイト・スピーチとポルノグラフィ はじめに 1 ヘイト・スピーチとポルノグラフィ 2 「害」の質と文化戦争モデル 3 「文化戦争」についてコンシャスな議論 終章 文化戦争と近代の「不安」 参考文献一覧 あとがき 初出一覧 索引 |