書籍名 | 沈黙する人権 |
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著者 |
石埼学・ 遠藤比呂通編 |
判型 | 四六判 |
頁数 | 298頁 |
発行年月 | 2012年5月 |
定価 | 3,520円(税込) |
ISBN | ISBN978-4-589-03431-1 |
ジャンル | 憲法 |
本の説明 |
人権の定義・語り自体が、人間を沈黙させる構造悪であることを指摘し、根底にある苦しみによりそい、その正体に迫る。日本社会の差別の現状を批判的に分析。人権〈論〉のその前に。 |
目次 |
プロローグ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石埼 学 第1章 ユートピアと人権 ―従来の人権論の意義と限界 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石埼 学 はじめに/人権とユートピア/理念・ファラン ステール・アサイラム/「調和人」の人権?/ むすびに 第2章 人権教育再考 ―権利を学ぶこと・ 共同性を回復すること ・・・・・・・・・・・・・・・・・・阿久澤麻理子 日本における人権教育をめぐる問題提起/ポス ト冷戦期における人権教育の「制度化」・世界 と日本/人権教育の対象者は誰か/欠ける「責 務の保持者」への視点/「市民」を対象とした 人権教育/もう一つの方向性 第3章 セクシュアリティと人権 ―「沈黙する主体」と「沈黙の権力」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・志田陽子 沈黙と演技のなかで生きる状況/「沈黙する主 体」/「沈黙の権力」/人権の問題として考え ることの意味/もうひとつの「沈黙する主体」 /真の私的領域尊重のために 第4章 家族と人権 ―「家族」神話からの解放 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・若尾典子 私たちの家族観と憲法24条/「家」制度と憲法 18条/前借金無効最高裁判決と民法90条/尊属 殺規定と憲法14条/家族の歴史性と憲法24条 第5章 スティグマと人権 ―精神保健福祉法批判・・・・・・石埼 学 はじめに/スティグマ/精神保健福祉法/精神 疾患は本当に「病気」なのか/むすびに 第6章 「原理論の語り」と人権 ―フィンランドの無住居者政策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遠藤美奈 政策と原理論/フィンランドにおける無住居者 への対応/『ドアに名前』/中間目標の達成と ピア・レビュー/「ドアに名前」の意味/広場 の賢人たち 第7章 ヘイトクライムと人権 ―いまそこにある民族差別・・・金 尚均 人権が沈黙させられるとき/表現の自由の重要 性とその限界/ヘイトスピーチに対する規制/ ヘイトスピーチ規制は何を保護するのか 第8章 記憶の記録化と人権 ―各々の世界の中心からみえる さまざまな憲法観を考えるために ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・榎澤幸広 アイヌ民族に送られた手紙をきっかけに考える /1946年1月29日GHQ覚書から考える/二つの憲 法観/多様な憲法観からみえてくるもの/多様 な憲法観から考えるべきいくつかの方向性 第9章 「語り」をめぐる権力と人権 ―被差別部落女性と発話の位置の政治 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・熊本理抄 強いられる「沈黙」・強いられる「語り」/部 落解放運動が内包していた「語り」をめぐる権 力構造/「語り」をめぐる権力構造の解体を求 めて エピローグ 人権・その根源を問う…遠藤比呂通 |