• TOP 
  • > コラム 

コラム

更新日:2007.7.25

必携民法辞典のリニューアル版が刊行!

民法講義に必携の辞典のリニューアル版が刊行されました。初学者はもちろんのこと、中級以上方にも重宝する辞典です。この辞典を講義に携帯すれば、民法学習への不安が解消され、日々の講義が楽しくなることでしょう。

■立ち読みコーナー開設

本辞典を広く知っていただくために、本辞典の本文などを「立ち読み」できるようにPDFデータを掲載します。また、『新・キーワード民法』の書籍紹介には、「はしがき」、「著者紹介」を掲載しています。ご覧下さい。

■著者からの推薦文

以下は、著者からいただいたWEB版のお薦め文となります。内容は、民法の学び方と本辞典の特徴についてです。

今年の4月に法学部・法科大学院に入学した皆さんのうち,民法が好きだという人よりも、民法に苦手意識を持っている人の方が多いかもしれません。実は,民法に対する苦手意識は,初学者に特有のものではありません。ある程度勉強して、司法試験や司法書士試験などの資格試験を受験しようとする皆さんの中にも,民法に苦手意識を持っている人は少なくないのが現実です。
では,法律学にはたくさんの科目があるのに,なぜ民法にだけこれだけ苦手意識を持つ人が集中してしまうことになるのでしょうか。これには様々な理由がありますが,特に次の2点を考えてみて下さい。
まず,他の科目に比べて圧倒的に範囲が広く,理解すべき概念や制度の数が多いことです。実際に,民法の教科書や参考書の全体量を,憲法や刑法と比べてみて下さい。これらと比べて、概念の数,制度の多さ,条文の数,豊富な判例法など、必要なすべての学習要素の多さについて,民法は突出した地位にあります。
次に,民法は全体として共通の基本原理に基づいて構成されていますから,個々の制度の運用や条文解釈に際して,基本原理との整合性が重視されることになります。言い換えれば,単に記憶すべき範囲と量が多いだけではなく,個々の概念や制度を全体と関連づけて理解する必要があるのです。ところが,ほとんどの法学部や法科大学院のカリキュラムでは,民法は3科目〜6科目程度に分割して講義されており,全体を関連づけた学習がいっそう難しくなっています。
以上の2点が苦手意識の原因であることは,お分かり頂けたでしょう。しかし,いうまでもないことですが,民法は,法律学の中でも最も重要な科目ですから,何とか苦手意識を克服し,得意科目に変えていかなければなりません。
そのためには,まず,「学習範囲の広さ・学習量の多さ」への対策が必要です。たとえば,初学者が教科書を読む場合,1ページ読むたびに知らない概念が出てきて先に進めなくなることが少なくありません。しかし,民法総則から家族法の教科書を山積みにして,巻末索引から目的の用語を探し出す作業は,決して効率的とは言えません。しかも教科書には,用語の説明が欠けていることすらあります。
このような状況に対応するには,どのようなデバイスが必要かを考えてみますと,学習に際して,複数の教科書・参考書に含まれた膨大な情報から,理解のキーワードになる情報を即座に探し出せる教材があれば,限られた学習時間を有効かつ能率的に使うことが可能になります。
次に,単なる断片的知識の詰め込みではなく,「民法全体と関係づけた理解」を達成できるようなデバイスも必要と思われます。たとえば,民法総則の講義で「法律行為」の説明を聞く際には,債権法の「契約」や相続法の「遺言」との関連を同時に確認できなければ,全体的理解は達成されません。
そこで,民法全体を視野に置き,それぞれの念・制度だけの説明にとどまらず,それに関連する概念や制度を包括的に理解できるような教材があれば,全体との関連性を意識した効率的な学習が可能になります。
このようなコンセプトに基づき,民法の学習をサポートする目的で編集されたのが,わたしたちの「新・キーワード民法」です。本書は,六法全書を携帯するのと同じ感覚で,授業や学習に際して携帯して用いる教材です。皆さんの効率的かつ有機的な学習の一助となれば幸いです(本書の詳細な内容は,以下の(1)〜(8)を参照して下さい)。
読者の皆さんは、本書で確認した用語・概念・制度については,折をみて,教科書にあたってもう一度調べてみてください。基本的な教科書などについては、本書の文献案内において紹介しています。本書は、初学者向けのサブ・テキストとしての基本用語辞典ですから、収録語数は制約されています。本来なら収録されてしかるべき用語が落ちているかもしれません。とはいえ、逆に、辞典とはいえないような詳細な論点の記述もあります。これらの試みは、無味乾燥な叙述に終始しない試みとして受け取っていただければと思います。いずれにせよ、今後、読者の皆さんの意見を反映させ、本書の不都合な点については改善していきたいと思います。ご厚意あふれるご批判を賜りたいと願っています。
(1)民法の基本用語を厳選し、その解説を中心としつつ、現代的な観点から学習上必要と思われる用語についても,できるだけ収録する。
(2)概念・定義・制度趣旨を明確に述べる。
(3)要件・効果,原則・例外という観点から用語を説明する。
(4)制度の理解を容易にするために,典型的かつ具体的な事例を挙げて説明する。
(5)参照すべき関連用語の指示を行い,他の用語・制度との関連性に留意する。
(6)公務員,司法試験等の各種国家試験を意識して,用語・制度にかかわる限りで重要論点についてもふれる。
(7)書体,記号などを工夫するともに初学者にとっての読みやすさに配慮する。
(8)判決文を読む作業を念頭において,これに必要となる民事手続法の基本概念の一部を収録した。

■『新・キーワード民法』立ち読みコーナー

(1)本辞典の利用のしかた 〔PDF/152.9KB〕
(2)パンデクテン目次 〔PDF/672.2KB〕
(3)本文(か行:22〜31ページ) 〔PDF/1196.6KB〕


新・キーワード民法

<前のコラム | 次のコラム> | バックナンバー
 

本を探す

書籍キーワード検索

詳細検索

書籍ジャンル検索