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コラム

更新日:2008.1.21

消費税率の引き上げは本当に避けられないのか?

格差社会が進み、原油や原材料価格の高騰で物価が上がるなか、所得の低い人々の生活はますます苦しくなる一方です。そこへ追いうちをかけるように、政府は財源確保のためには、遅かれ早かれ消費税率を引き上げるほかに途はないといいます。
福祉予算の拡充のためにはじまった消費税ですが、導入時の1989年以降、国の借金は増え続け、いまや800兆円にとどこうかというところまで膨れあがっています。私たち国民からあつめた消費税はいったいどこへ消えてしまったのでしょう?

消費税増税なしでの財政健全化――租税理論研究叢書17』(日本租税理論学会編)は、特定財源の一般化や、地方交付税等の見直しなど様々な角度から、消費税増税によらずとも財政再建は可能であると説得力のある具体的な数字を提示し、主張します。税金の集め方、使い方を見直せば、消費税を引き上げることもせずに、財政再建が実現できます。さらに、税金は経済的に負担できる能力に応じて負担するべきであるという応能負担原則の観点からも、日々の食費や日用雑貨からも一律に徴収することとなる消費税の増税は回避すべきであるとして、公平な税制の実現を提言しています。

働き手が減って行きつつある少子高齢化社会を迎えるなかで、膨大な借金を抱えている日本の財政事情を考えると、現実的には「消費税率アップは仕方がない」あるいは、消費税の引き上げの必要性については疑問を抱きながらも、「それ以外に打開策を見いだせないのでは」と考えている方が多いかもしれません。しかし、本書のタイトルが示すとおり、『消費税増税なしでの財政健全化』は可能です。消費税の増税に反対するための、具体的な数字と理論的な根拠がここに示されています。


消費税増税なしでの財政健全化

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